ベルセルク|ダークファンタジーの定義とはなんぞや?超個人的な感想

「ベルセルク」三浦建太郎先生によるダークファンタジー漫画の最高傑作

血飛沫・断末魔・圧倒的な暴力。ほぴっとんの一番好きなジャンルです。「ベルセルク」は誰しもが知る漫画なので詳細なあらすじなどは割愛……。

ほぴっとんの「ベルセルク」愛あふれる感想をダークファンタジーの定義に乗っ取ってお伝えします!

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あらすじ

それは 剣と言うにはあまりにも大きすぎた

大きく ぶ厚く 重く そして大雑把すぎた

それは 正に鉄塊だった

身の丈を越す巨大な剣を背負い、ごっつい鉄の義手をつけた、全身黒ずくめの剣士──ガッツと名乗るその男の行く所、血の雨が降り、死体の山が築かれる。危ういところをガッツに助けられ、それ以来、彼につきまとうエルフのパックは、その恐るべき強さに舌をまく一方で、ガッツの生きる世界の凄絶さに怯える。行く手を阻む悪霊たちの群れ。首の“烙印”が、ガッツを復讐へと駆り立てるのか!?

三浦建太郎 白泉社 ベルセルク 1巻より引用

ダークファンタジーの定義とは

ほぴっとんの勝手な解釈によるダークファンタジーの定義。「ベルセルク」がベースとなっております。

主人公が背負うものが重量過多

世界の命運を左右する程の過酷な運命を抱く主人公は、漫画の世界にはケッコー存在する。(そうでないと漫画にならない)

しかし、「ベルセルク」の主人公・ガッツが背負ってしまったものとは比較にならない。

ガッツは生い立ちも悲惨だが、幼少期を過ごした傭兵団の環境もこれまた酷い。

そして、グリフィス率いる「鷹の団」で青春時代を過ごすのだが、血みどろの戦いの中にあってもかけがえのない仲間と出会い自分の生きる道を模索するガッツ。

しかし、ガッツがグリフィスと真に対等な友になりたいと「鷹の団」を抜けたため、グリフィス様がご乱心。

魔に堕ちたグリフィスによって「生贄の烙印」を刻まれたガッツはその身も命も断末魔までも魔に捧げられ、永遠に生贄を求める異形に弄ばれる悲劇。

この顛末が描かれるまでに漫画10冊分を費やしており、生半可な復讐劇とは一線を画す重量感。

真紅のベヘリットによってもたらされた「蝕」及び「降魔の儀」漫画史上最狂のカタルシスといっても過言ではない。

幼少期から漫画を嗜み、万単位の漫画を読んできたほぴっとんですら「ベルセルク」の13巻を越える衝撃と絶望に未だ出会っていない。

そんな中でもガッツは戦い続ける。悲しみに満ち溢れた心を修羅の気迫で押し殺して……。

ガッツはヒーローではない。世界の命運など知ったことではないのだ。

化け物たちが跋扈する恐るべき世界で、魔に堕ちゴッド・ハンド「フェムト」へと変貌したかつての友・グリフィスへの復讐心のみがガッツの生きる糧。

圧倒的な戦力差の中、ただの人間として戦いを挑むガッツこそダークファンタジーの主人公としてふさわしい。

ガッツが生身の体でベルセルク=狂戦士となった壮絶なドラマ。重苦しく陰鬱としたストーリー展開こそダークファンタジーの真髄だ!

残酷すぎるリアルな描写

「ベルセルク」に出てくるグロテスクな異形による蹂躙は筆舌に尽くしがたい……。

まさに人間が手出しできるような輩ではなく、ただ死体の山が築かれる様をあっけにとられて見ることしかできない。

また、「ベルセルク」の世界は中世のヨーロッパをモデルにした暗黒時代で、信仰を巡って領土を拡大する戦争が長く続いている設定。

それゆえ、行き過ぎた信仰が狂気を孕み邪教の殲滅が正当化されている。

密かに使徒(人間から化け物になった輩)が権力者に成り替わり民を蹂躙しているが、人間だろうと使徒だろうとやっていることは変わらぬ非道ぶりで、そのリアルさが胸に迫る。

容赦無く命が刈り取られていく無慈悲な世界が「ベルセルク」のデフォルトである。

あまりに軽すぎる平民の命。守られるべき存在ではない女子供。

どれだけ残酷だろうが、薄っぺらな綺麗事のない世界をしっかり描く。これこそダークファンタジーの鉄則だ!

幻想的かつオカルトチックな世界観

ファンタジーといえば妖精のような異界の生き物が登場するのが世の常。

「ベルセルク」においてもガッツの相棒?はエルフのパックだが、それ以外の怪物はトロールなど、おぞましくも独創的なビジュアルの怪奇的異形が登場する。

(ちなみにほぴっとんは鉄板だがゾッドが好きだ!)

現世と幽界(精神世界)の狭間の世界を骨太なタッチで表現しており、三浦建太郎先生の画力が高すぎて震える……。

使徒や死霊などが常駐する世界をさらっと違和感なく描く技量が凄まじい。

セリフが極端に少ない巻もあり、絵のみで世界観を表現することに卓越している。

また、「ベルセルク」は「ベヘリット」や「狂戦士の甲冑」などのキーアイテムも素晴らしいのだ。

※ベヘリット

因果律によって選ばれた者が手にする「真紅のベヘリット」が血涙を流すとき、ゴッド・ハンドが召喚される。

※狂戦士の甲冑

髑髏の騎士のお古をガッツが愛用中。超人的な力を発揮させる鎧だが、着用者が絶命するまで戦いを止めない。

ファンタジーのお約束である幻想的な世界観のもっともおぞましい一面を最前面に押し出した設定と、それを押し切る画力。

ダークファンタジーとは、こうでなくちゃいかん!

超個人的な感想

ほぴっとんの中で「ベルセルク」という漫画は、早く出会いすぎてしまった結婚相手のようなものだ……。

イケメンで仕事もできるうえに価値観もピッタリ。

まだまだ結婚など考えてもいない若かりし頃に、こんな男性に出会って別れてしまったら、コイツと次につきあう相手を天秤にかけるだろう?

そして、運よく彼氏ができたものの、もっといい男がいるんじゃないか?とスナフキン(旅人)のスパイラル状態に陥る。

ストーリー・絵・世界観と三拍子揃った「ベルセルク」を基準に漫画のランクづけせねばならぬとは、どうりで婚期を逃すはずだ……。

あまりにも早くに「ベルセルク」と出会ってしまったばっかりに、出会う漫画全てが小物に思えてしまう。

どうやってガッツを越える男をgetすれば良いのかわからん……。

「海の闇、月の影」でほのかな鮮血の煌めきに目覚めてしまったほぴっとんは「ベルセルク」にて完全覚醒してしまったのだ。

そして、ダークファンタジーにのめり込み、漫画以外の映画や本などを読み漁るも、未だ「ベルセルク」を越える巨獣に出会っていない……。

また、完結してしまえば殿堂入り漫画として別格に奉ることもできるのだが、2017年・現在も続いているうえにどのような結末を迎えるのか?想像もできん。

困ったことだ。本当にほぴっとんは困っている……。

「ベルセルク」のダークファンタジー観の系譜を受け継ぐ漫画の出現を大いに心待ちにしております。

まとめ

まだまだ熱い思いを語りたいが(キャラクターなど)、これ以上ヒートアップすると変なヤツかと思われてしまう……。

本当は1ページごとの感想を入れたいぐらいですが、この辺で抑えておきます。

「ベルセルク」は本当に面白い!気長に完結するのを待ちます。

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