中華風ファンタジー漫画・彩雲国物語の紅黎深にハマってしまった!

「彩雲国物語」雪乃紗衣先生のライトノベルを「アンジェリーク」由羅カイリ先生が漫画化した作品。全9巻。完結済み。(ラノベ版は全22巻+外伝4巻)

しばしば主人公を喰ってしまうサブキャクターはいるが、個人的に「アルスラーン戦記」のナルサスに匹敵する強烈なキャラクターは「彩雲国物語」の紅黎深(こう れいしん)ぐらいしかいないと思っている……。

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あらすじ

「彩雲国」の名家・紅家のお嬢様でありながら超貧乏な紅秀麗は日々バイトに明け暮れていた。そんなある日、秀麗に金五百両の大仕事が舞い込む。お金のためにダメ王・紫劉輝の子守(教育係兼貴妃)として後宮に入った秀麗は劉輝に振り回されつつも平穏な生活を送っていたが、次第に不可解な出来事が起こるようになる……。

彩雲国物語の見所

「彩雲国」と呼ばれる架空の国を舞台に、 彩雲国史上初の女性官吏となる紅秀麗(こう しゅうれい)が夢を叶えるために奮闘する物語。

彩雲国の世界設定

魑魅魍魎が跋扈していた時代に「彩八仙」と呼ばれる仙の力を借り彩雲国を建国した初代国王・蒼玄

その彩八仙の名残を残すように彩雲国は王都・紫州を中心に藍州、紅州、碧州、黄州、白州、黒州、茶州の8つの州で構成されており、彩七家と呼ばれる大貴族の藍家、紅家、碧家、黄家、白家、黒家、茶家が州を治めています。

秀麗は彩七家の筆頭である藍家に次いで名門とされる紅家の長男の1人娘ですが、父・邵可がある事情で紅家を出たため、秀麗は紅家と関わることなく育ちます。

秀麗の家柄は彩雲国の中でもトップクラスですが、無駄に広い家の維持費やら生活費やらの支出が多く、邵可と家人の茈静蘭(し せいらん)とで貧乏生活+バイト三昧の日々を送っています。

そして、金目当てで即位間もない王・紫劉輝(し りゅうき)の貴妃となった秀麗ですが、この出会いが運命を大きく変え、子どもの頃からの夢であった官吏になりたいという願いに向かってひた走っていくのです……。

一応、中華風歴史ラブファンタジーのカテゴリーに入る作品だと思いますが、ラブはメインテーマではありませんね。ほぴっとんの中では……。

中国の唐代における三省六部をモチーフとした政治制度に科挙(=国試)を交え、主人公である秀麗が女性として初めて官吏となる過程をおかしな奴らが盛り立てる作品です。

秀麗が官吏になってから・・・

「彩雲国物語」は秀麗が官吏になってからが面白い!

当初は宮廷における陰謀を所帯染みた秀麗と猫を被った劉輝が解決する話でしたが、「女人受験制度導入案」を劉輝がブッこんできたため、それを目指す秀麗。そして「女人受験制度導入案」可決後に官吏となった秀麗が政治や経済に踏み込み、 腹黒い策略や駆け引きを根性でぶった切るストーリーとなっています。

また「悪夢の国試組」をはじめとして各世代に優秀な変人がそろっており、おそらくそのような奇人を秀麗が引き寄せてしまっていて、宮廷での権力闘争など殺伐としたストーリーに腹を折るほどの笑いをくれる。

悪夢の国試組

「彩雲国物語」のキーパーソンは彼ら……。

「悪夢の国試組」とはとある理由で黄奇人(現・ 戸部尚書)と同じ年に国試に受かった人たちを呼ぶ。

状元(主席)及第者である鄭悠舜以外の奴らはみんな個性が強すぎるため、黎深の悪行奇人の美貌にも動じない猛者が一箇所(試験会場)に集まってしまった悲劇の国試であります。

しかし、頭はヘンだが非常に優秀な人材がそろった年でもあり、今や「悪夢の国試組」は彩雲国の要職に就いています。

紅黎深がすごいよ!

変人しかいない「彩雲国」のキャラクターの中でも、やはり紅黎深は強烈なキャラクターだ。

大貴族・紅家の当主にして吏部尚書である紅黎深は家柄・地位・名誉・金・才能・容姿に恵まれすぎた反動で性格の悪さが232度ねじ曲がっている男だ。

彼の名言(迷言)は多い……。

兄・邵可と姪・秀麗以外の人間はぺんぺん草と同列の扱いで、謝罪という言葉は黎深の辞書にはない。

本来、「彩雲国物語」は秀麗の成長を楽しむ漫画だが、黎深のせいで秀麗のことなど「はい、はい。頑張っていますよ」程度の感慨しか湧かず、むしろ黎深に偏愛される秀麗が憎い!

小説版でも紅黎深はいい味を出していますが、漫画版の方はやたらと黎深+紅一族の最強ぶりがフューチャーされているように感じます。

彩雲国では家名とその家の性格が非常にリンクしていまして、藍家の奴は藍家っぽく紅家の奴はすこぶる紅家っぽいところが笑えるポイント!

漫画版では結末まで描かれていないので非常に残念ですが、実は秀麗以上に大きく成長したのが黎深なのですよ。

しかも、紅黎深の一番すごいところは彼自身は迷走していただけなのに、勝手に人間的な器が広く深くなるという……。

秀麗はもちろん努力家ですし、劉輝も側近の李絳攸、藍楸瑛も必死で頑張っていました。

黎深はまわりに迷惑をかけるだけかけて、茫然自失状態になりあれやこれやで結局「彩雲国物語」のオチを持ち逃げしてしまいましたからね……。

やっぱり紅黎深がすごいよ!

まとめ

のちに「軍に藍茈あり 文に李紅あり」とうたわれる伝説の女性官吏・紅秀麗の生涯を描いた漫画ですが、全9巻と序章で完結しています。

本当は小説版の全巻を漫画化して欲しいのですが、まあ無理なのでしょうね……。残念……。

ほぴっとんは紅黎深と鄭悠舜の絡みを一番楽しみにしていたので、本当に残念……。

漫画版には鄭悠舜なんてチラリとしか出て来ないのですよ。

テンポよく進むので読みやすいのですが、やはりライトノベルで最後まで読んだ方が楽しめますね。紅黎深の成長を見守るためにも……。

読み始めるとハリーポッター級に止まらなくなります……。

シリアスな中の笑いを楽しむ作品です。仕事に疲れている時のおともにぜひどうぞ!

上司が紅黎深でなくて本当によかったと幸せを感じられる漫画です!

漫画版を読んで面白いと感じたなら、絶対に原作を読むべき!本当に笑える!