ミステリアス・ネオファンタジー漫画 「天の鳥 花の夢」の感想!

「天の鳥 花の夢」江平洋巳先生によるファンタジー漫画。

少女から大人の女性になることに嫌悪感を抱く主人公が人外の輩に出会って成長していく話。

美麗な表紙に惹かれて持って帰った漫画ですが、大当たりしてルンルン気分に浸れましたよ。🎶

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天の鳥 花の夢

あらすじ

まゆ子は幼いころに不思議な力を持つ「天の花」を体の中に吸収してしまったため、思春期を迎えても未成熟な体のままだった。

家族とも友達ともうまくいかないまゆ子は周りにあわせることに疲れて、いっそみんないなくなればと思います。

ある日、腰かけ杉の祠で出会った謎の男に、悩みを解決するかわりに「花をくれ」と迫られるが……。

ストーリー展開

主人公のまゆ子は子どもの頃から事故に会いまくりの人生で、そのために母親から異様なほど偏愛されています。

また、男性に対しても嫌悪感を抱いていて、友人たちと男の話になると見下した態度を取ってしまい、偽善者と突き放されてしまうのです。

そんな中、長髪にオールブラックという胡散臭さ満開の出で立ちの男・シンに出会う。

彼は鳥の妖怪?でしょうか、子どもの頃に背中に大きな黒い翼を持った花守のシンから何気なく花を奪ってしまったことでまゆ子の人生が狂ってしまいました。

花を取り戻すためにまゆ子の学校の教師となって現れたシンと争ううちにまゆ子の気持ちに変化が訪れるのだが……。

天の鳥 花の夢の感想

思春期真っ只中のまゆ子は心に秘密を抱えて生きていて息苦しさを感じている。

恋を経験すると、まゆ子は今まで知ることのなかった切なさや苦しみを味わうことになります。

大人になるということは魂が汚れていくことなのか?

大人=現実を知るってことだと思うのですが、これって罪か?

このあたりの年頃の女の子って特有のナイーブさがありますよね。友達との内面の成長ぐあいは個人差がありますし、心身ともに違和感を強く感じる時期でもあります。

この不安定さ加減を「天の鳥 花の夢」は非常に巧みに描いていて、引き込まれる漫画です。

ところで、ほぴっとんはいつ大人になったのだろう? 哀れなことにいつまでも心は少年のままなのですが……。

色々と深く考えさせられる漫画!

ちぃちゃんとおばけ図書館

江平洋巳先生の作品は未だハズレ知らずなのですよ。おばけと図書館が好きなほぴっとんは表紙で勝手にほのぼのファンタジーを想定しておりましたので、予想外のヘビーさに面食らってしまいました。

あらすじ

自分勝手なママと2人で暮らしていてさみしい思いをしている小学3年生の女の子・千鶴(ちぃちゃん)。ある日、取り壊し寸前の古い図書館で小人の家族「のづち」と出会い、同級生の修ちゃんと2人で不思議な世界をのぞくことになるが……。

ちぃちゃんとおばけ図書館の感想

ある日、主人公のちぃちゃんは図書館で「のづち」という妖怪の一家と出会って……。というありがちなファンタジーの世界観で始まりますが、ちぃちゃんは母娘関係に難ありで学校でもえこひいきする担任の先生とうまくやれません。

ちぃちゃんの母親はいわゆるダメシングルマザーの典型っぽい女性で、娘よりも恋人を優先する親としての自覚が薄く女をむき出しにするタイプ。

感情の起伏が激しく、投げやりでときに娘にキツくあたる母親を健気に慕うちぃちゃん……。

この母親を顔のない女性と表現することで、ちぃちゃんの世界の不調和を重苦しく描く一方、「のづち」たちとの煌めくファンタジーの世界と対比させているところが素晴らしい。

そんな中で、ちぃちゃんと同じくのづちの一家を見ることができる少年・修ちゃんと仲良くなるのですが、修ちゃんもまた完璧な母親との軋轢を抱えていてという……。

純粋な子どもの時間を大人のエゴが奪うような切ない話の中で、「のづち」たちと不思議な世界を冒険するちぃちゃんと修ちゃんを通じて2人の母親が自分と向き合う話でもあります。

正直、読後感のよい漫画ではありませんが、母という存在を改め直すきっかけをくれる漫画!

まとめ

魔法だけがファンタジーじゃない!

「天の鳥 花の夢」を読むとファンタジーの新たな極致を見ることができます。

婚期を逃し、もはやおばはんと呼ばれることを受け入れざるを得なくなったほぴっとんのような女が多感な少女時代に想いを馳せられる良作。

ついうっかりまゆ子サイドに引き込まれてしまう絵柄もよし!

(第2話の扉絵に描かれたシン様の美しさにノックアウト)

ミステリアスチックなファンタジー漫画が読みたいときには「天の鳥 花の夢」で決まり!