ほぴっとんの町には映画館がない。だから町の振興イベントの催しで初めて観た映画は「AKIRA」と「風の谷のナウシカ」の二本立てです。
貴重な体験を漫画馬鹿に変換させて成長したほぴっとん。
あらすじ
「AKIRA」の舞台は2019年、東京湾上に浮かぶ都市・ネオ東京。
混沌とした街では少年たちがグループを組んで小競り合いを繰り返していた。
主人公の金田はそのグループのリーダーで、メンバーのひとりである鉄雄が奇妙なバイク事故を起こしたことで、30年間軍が隠していた秘密を知ることになる……。
世界設定
30年前に起こった世界大戦の名残で軍が幅を利かせた「ネオ東京」は超高層ビルが立ち並び、2020年の東京オリンピック開催に向けて再建されていない「旧市街」の再開発工事が急ピッチで進められている。そんな中で軍と反政府組織がドンパチやっている世界であります。
キャラクター
金田
健康優良不良少年。暴走族チームのリーダー。バイクのテクニック以上に足が早い。アキラにまつわる陰謀に巻き込まれる。
鉄雄
41号。バイク事故により超能力に目覚める。金田にコンプレックスを持っている。
ケイ
反政府グループの女性メンバー。美人の設定なのかもしれないが美人には見えない。
大佐
アキラの秘密を握る人物。異常なまでにアキラに執着する軍の最高責任者。
ミヤコ
新興宗教の教祖。アニメ版では存在感が薄いが、漫画版では活躍する。
アキラ
28号。東京崩壊を起こした超能力者。アニメ版と漫画版では扱いが違うが物語の核となる重要人物。
鉄雄の覚醒を軸に金田たち不良少年が大佐率いる軍との衝突、反政府グループとの出会いなど緊迫した舞台設定と、ミヤコ教の教祖であるミヤコ、そしてナンバーズと呼ばれる超能力者マサルやキヨコたちを絡めて「AKIRA」のストーリーは展開していく。
おすすめのポイント
今なお鉄雄のパンクシーンは妹のトラウマだ。
「AKIRA」はそれだけインパクトの強いアニメ作品だった。
当時、ほぴっとんはサイバーパンクなるものの存在を知らず、やけにスタイリッシュな世界観をなんと噛みしめてよいものかわからなかった。
幼すぎたので、もちろん漫画の存在も知らず、数年後近所のお兄さんが廃品回収に出していた「AKIRA」を目ざとく発見し、「ちょうだい!ちょうだい!」とお願いし快く譲ってもらった経緯がある。
「AKIRA」のような形態の漫画本を手にしたことは今までになく、かなり興奮したことを覚えている。
ビルの合間を疾走するバイク、凄まじい超能力によって瓦礫と化す世界。
これはどうやって描いているのだろう?
子供の時からの疑問が今でもまだ続いている……。
想像力の限界を超えるような迫力のある描写に圧倒されっぱなしの作品。
セリフなくていい(というよりもセリフが絵画のようだ)。
絵だけで世界を語れる稀有な作家。
鉄雄が能力を制御できなくなり、次第に肉体と精神が崩壊していく様を絵で現わせるってすごいなぁ。
ラストシーンについて
原作の漫画とアニメの映画版とはラストシーンが違います。
ほぴっとんは大友克洋先生からの未来に向けたメッセージと受け取りました。
娯楽の枠を超え、多くの人たちに影響を与えた「AKIRA」は世界が滅びても存在する価値のある漫画。
まとめ
年号は「AKIRA」追いついたのに、誰も「AKIRA」を超えられない。(ほぴっとんと同世代ですよ)
今まさに新連載しても違和感なし。
迫力のある構図に狂いのないデッサン。もはや神。
主人公の金田がただのヤンキーという点も、従来のSFというジャンルにはなかったように思う。
いまだに小さいじいさんを見ると、キヨコの真似をしてタカシ君とつぶやいてしまう。
万人にこの意味が通じるところが神たる所以……。
2020年に東京オリンピックが開催されるのも感慨深いなぁ。