歴史漫画って面白いですよねぇ。特にヨーロッパの血生臭い歴史に萌えてるほぴっとんが、選りすぐりの面白いヨーロッパが舞台の漫画をご紹介します。
激動の時代を生きる人々の生き様を描いた漫画を集めているので、ややしょキングなシーンあり。
グロいシーンが苦手な方はご注意を……!
Contents
ヴィンランド・サガ
友がお納めくださいと持って来た漫画。「好きに決まっているじゃないか。ヴァイキングなんて!」
1巻の段階で他に類を見ないほどの完成度。絵柄も世界観にドンピシャ‼︎
歴史モノが好きなら、何をおいても押さえておくべき漫画。
ヴィンランド・サガ|あらすじと感想!読めば読むほど深みにハマる
ヒストリエ
「ヴィンランド・サガ」と双璧をなす歴史モノ!
「寄生獣」でおなじみの岩明 均先生が描いているだけあって独特の感性を持った漫画。
舞台がアケメネス朝ペルシアですしね。後にアレクサンドロス大王の書記官である、エウメネスの生涯を描いています。(アレクサンドロス大王を主人公にしていないところがミソ)
ほぴっとん、世界史の資料集を頻繁に見返すんですよね。アレクサンドロス大王の東方遠征と彼の死後のマケドニア帝国の行方に思いを馳せるだけで興奮するのです。
あまりに馴染みが薄い人名を記憶するのが大変ですけど、当時史上最大規模の「世界征服」を果たしたマケドニア王国の変遷を岩明先生が描いているんだから、難読氏名だろうがこの漫画で味わう他に方法がないでしょ。
ただ、淡々とストーリーが進むので好みは分かれそう……。「寄生獣」と比べるとツウ好みな漫画。
イノサン
シャルル=アンリ・サンソンが主人公と知ってほぴっとんが買わぬわけがない。まあ、坂本眞一先生の漫画だったら、テーマ何でも買うんだけれども。
フランス全土の処刑人のドン、ムッシュ・ド・パリの息子として生を受けながらにして純真無垢。
皮肉にも当時のフランスは革命と恐怖政治の真っ只中でというわけでして……。
ルイ16世やマリー・アントワネットをギロチンの露にした死刑執行人サンソンの過酷な運命の物語。
イノサン|死刑執行人シャルル=アンリ・サンソンの数奇な運命とは?
狼の口〜ヴォルフスムント〜
こういう常に笑顔を絶やさないヴォルフラムみたいなタイプは、すこぶるドSっていうよい例。鬼畜すぎる関所の番人をうまくやり過ごして砦を越えたいが、失敗してあらゆる方法で処刑されるという、歯が痛い時とか絶対読みたくない漫画だ。面白いけどね……。
狼の口〜ヴォルフスムント〜|密航者vs悪代官の壮絶な関所バトル!
ダンスマカブル〜西洋暗黒小史〜
西洋暗黒小史とサブタイトルがついているだけあって、収録作品のラインナップがよい。
ジャンヌ・ダルク処刑裁判、残虐皇帝カリグラ、スペイン異端審問、鮮血の貴婦人、十字架のイエスなど。ダンスマカブル=死の舞踏とのタイトルにふさわしい漫画。
ダンスマカブル〜西洋暗黒小史〜中世ヨーロッパの恐るべき負の歴史漫画
ダンス・マカブル 1‐西洋暗黒小史‐ (MFコミックス フラッパーシリーズ)
辺獄のシュヴェスタ
聖母の姿をした拷問具「鋼鉄の処女」をめぐる物語。
魔女狩りによって母親失った少女・エラが送られた先は、「魔女の子供達」を集めた暗黒の修道院。復讐を胸に過酷な環境でサバイバルな生活を送るエラをつい応援したくなる……。竹良実先生の初連載作品だけに勢いを感じる漫画。
辺獄のシュヴェスタ|修道院暗黒活劇!魔女の娘・エラの苛烈な復讐劇
インノサン少年十字軍
「帝一の國」で知られる古屋兎丸先生による十字軍をテーマとした漫画。全3巻。
13世紀、フランス。神の啓示を受けた少年・エティエンヌが仲間とともに「少年十字軍」として聖地を目指し旅に出る話。
「インノサン」は英語にするとイノセント。純粋無垢が意味する通り無邪気な子どもたちが希望を胸に遥か遠くの聖地エルサレムに向けて行進するも、待ち受ける悲惨すぎる運命をこれでもかと描いた漫画だ。
「十字軍」の顛末を知っているだけに、序盤のゆるやかさが古屋兎丸先生らしさを感じませんで、ライトな気分で読み進めていたら後半一気に奈落に突き落とされましたよ。
なんたるヘビーさ!無垢と無知の紙一重感がハンパない!
宗教的な思惑が渦巻く中、大人たちに都合よくあしらわれ蹂躙される無力な子どもたち。
また、古屋兎丸先生の絵が耽美すぎて余計に胸糞が悪くなる……。
しかし、崇高な目的で結成された「少年十字軍」が崩壊していく様が不謹慎にも美しく感じるのだ。
「インノサン少年十字軍」はツウ好みな漫画かな?とは思います。史実をモチーフとした漫画ですがフィクションであってほしいと願うほどの陰惨な漫画ですから……。
古屋兎丸先生の歴史的解釈の着眼点が面白いので、よりダークな歴史漫画を読んでみたい方におすすめ。
ムー民(学研ムーの愛読者)の大好物「テンプル騎士団」もでてくるぞ!要チェックだ!
アド・アストラ ─スキピオとハンニバル─
知る人ぞ知る稀代の天才戦術家・ハンニバル・バルカがテーマとあらば、買うしかないでしょう。
買って帰る→なんか違う?→放置→古本屋で発見!→他に掘り出し物がなかったから6巻まで連れて帰る→あら!面白いじゃないの!→急いで本屋に走る……。
これがあるから漫画を手放せないのだよ!
のっぺりとした絵柄がフィットしていないのか?「ローマ史上最大の敵」ハンニバルだぞ!もっとうまく使えyo!と勝手に憤っていたほぴっとん。
しかし、化ける漫画は化けるものなのだ。
紀元前3世紀ごろの共和政ローマと言えば押せ押せの時代ですよ。資金潤沢で最強の軍隊を有するローマ相手に喧嘩を売ったカルタゴの将軍・ハンニバル。
彼には劣勢を覆すおそるべき戦術があった。
そして、ハンニバル最大のライバルであるローマの天才戦略家・スキピオ。
同じ時代を生きた2人の英雄のガチンコ勝負が繰り広げられるのだ!
名将として今なお名を残すハンニバルの戦術がうまく漫画にハマってきました。
「狼の口」と比べちゃダメでしょうが、グロ度は低めの漫画です。
ガチの戦争モノが読みたいが、血が苦手な方にはおすすめ!
アド・アストラ 1 ─スキピオとハンニバル─ (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)
ヴィルトゥス+古代ローマ格闘暗獄譚SIN
そうさ、ローマが好きさ!
動物愛護の観点から闘牛でさえ禁止されるこのご時世に「コロッセウムで戦う剣闘士が好きなのです」というと非道な女扱いされると思いますが、むしろ平和に感謝しているからこその怖いもの見たさなのだ。
古代ローマのコロッセウムにタイムスリップした囚人たちの命をかけた戦い!
「ヴィルトゥス」と「SIN」は非常にショッキングな内容も含まれているので注意が必要だ……。
ヴィルトゥス+古代ローマ格闘暗獄譚SIN|タイムスリップ→強制格闘士へ
古代ローマ格闘暗獄譚 SIN 1 (ビッグ コミックス) (ビッグコミックス)
ウィルトゥース
別の意味で注意が必要な漫画。
ゲイアートの巨匠・田亀源五郎先生による剣闘士漫画。
果たしてBL漫画といってよいのか?腐女子のみなさんのカテゴライズは鬼の棲み分けですからね……。
舞台は古代ローマ時代の剣闘士養成所。
剣闘士として養成所に連れてこられたガイウスは無気力状態。そんな中、人気剣闘士・クレスケンスに目をつけられやられちゃうガイウス。屈辱的な蛮行に怒りクレスケンスを殺すためにガイウスは剣闘士として生きることに……。
剣闘士モノの王道のストーリーに男同士の愛を絡めたストーリーなのだが、読後感がとても素晴らしい。
死が満ちた剣闘士の世界に、こんなLOVEをもってこられてはうっかりキュン死にするかと思いました。
田亀源五郎先生作品の中ではエグさ・エロ度ともに低めで、実用性は低いがガチムチ男たちの裸のぶつかり合いが目の保養になる興奮度高めの漫画。
未知なる世界の扉を開いてみたい方におすすめだ!
秘身譚
ほぴっとんは「MADARA」の大塚英志先生の原作で伊藤真美先生が作画された「JAPAN」が大好きでねぇ。その流れで「秘身譚」もGet!
紀元217年、簒奪者・マクリヌスによって暴君カラカラ帝(カラカラ浴場を建設した人ね)が暗殺される。
新皇帝となったマクリヌスは、東方の要である属州都・アンティオキアで地位を固めようと画策。
そんな中、ウルビウス総督は街を闇から牛耳るローマ軍士官グナエウス・ドミティウス・ポリオを逮捕するが……。
カラカラさんが天に昇ったため、女神への供物としての饗宴「月と死の祭り」を浮かれポンチキに開催するローマ人。
仮面の少女vsバルティアの戦士が生き残りをかけて血肉を屠る壮絶な戦い。
血をwoo肉をwoo!
伊藤真美先生の斬新なコマ割りに感服させられましたよ。なんとも幻想的な首チョンパ!冒頭数ページで惹き込む画力!
カラカラさんのせいで腐敗極まっていたローマ。死んだら死んだで余計に情勢が悪くなっちゃった……。
そんな中で、ポリオと半陰陽の神の子・エラが皇帝の座を巡る陰謀に巻き込まれる展開が素晴らしかったのに、2巻が出版されないのですが……。
ほぴっとん、ずっと待っているんだけど……。
まとめ
最近の世界史漫画は面白い!
史実を踏まえつつ独創的なストーリー展開。そうでないとほぴっとんのような輩が「プッ、この時代にありえんし……」などとすぐにつぶやくからな。
数多の民族が乱立し、馬で踏みつけにして領土広げまくったヨーロッパならではの歴史的背景が見所。政治形態や宗教観が学べる良い機会。
今回紹介した漫画は全て自信を持って「おもしろい!!」と思える漫画をご紹介しています。
まだ未読の漫画があったら、ぜひ読んでみて下さい!
「Under the Rose」や「第3のギデオン」など、ドラマ性の高い歴史漫画をまとめてみました。あわせてどうぞ♪