「神様、キサマを殺したい。」は「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」の松橋犬輔先生が描く前代未聞のクライムサスペンス漫画。
グロキチ上等!な漫画のため嫌悪感を抱く方が多数だろう……。
問題作、いや有害認定を受けても甘んじて受け入れるしかないレベル!
でも、面白いよ……!
ほぴっとんはグロリズム宣言中です。グロ耐性がない方は引き返してください!
あらすじ
家族を失い失意のドン底にいた女子高生・千穂は自殺しようとした瞬間、殺人鬼の少年・マコトの殺しを目撃する。
千穂は自分の命と引き換えに、家族を不幸に陥れた加害者を殺害することをマコトに依頼するが……。
全員殺す、その日まで————。
一蓮托生!連続殺人の共犯者となった千穂とマコトの運命とは……?
神様、キサマを殺したい。の魅力
絵での描写においては内臓がとぐろを巻いたりしないので、そうグロさは感じないが(受け取り方には個人差があります)、血管をゴボウに例えたり表現面でクレイジーさを感じる漫画だ!
ストーリー展開
咲村千穂はまさに自殺寸前のところで殺人鬼の少年・マコト(マコちん)と出会い、家族の死に関わる加害者全員の殺しをマコトに依頼する。
「報酬は私の命よ〜!」って今まさに捨てようとしてたじゃないか!
成功報酬安すぎやしないか?いや、生命は尊いものですという問答は置いておいて、こういうナチュラルボーンなヤツが一番やヤバイと再確認させてくれる漫画。
女装が似合うマコちんは無邪気で可愛らしい少年だが、コイツは本当にゲームのように人を殺しまくる。
殺しの理由=楽しいから
天真爛漫さと、成長し前進することが生きる意味だという前向きさに満ち溢れている子だ。
マコちんはさらなるスキルアップのために千穂の復讐殺人を請け負い、その日のうちに千穂の妹を殺した砂辺を殺害。
しかし、国会議員である砂辺の父親がこれまたヤバイ輩で、直に罰を与えるため警察に頼らず犯人を捕まえようとする。
そして、最凶の刺客・トヨ吉にマコトを追わせるが……。
どこが問題なのか…?
テロルな時代ですから、現実世界でも残酷な事柄が多発……。
それを受けてか、漫画界ではやたらとグロが量産されて問題ともなっている。
そんな中でも「神様、キサマを殺したい。」を子どもに絶対読ませたくない漫画だと思う方は多いだろう……。
どこがヤバイゆえに読ませられないのか考察してみた。
その① マコちんが子ども
最大の理由としては主人公のマコちんが、まだシモの毛も生えそろっていないじゃリン子だという点。
そんな彼が「養殖場」と称してひと気のない場所にカモをおびき寄せ一方的に殺戮(しかも連続して)。
マコちんが子どもだからこそ、その無邪気さとギャップがホラーなのだ……。
その② その気にさせてしまう
一番親御さんが心配する点としては、真似ができてしまうのではないかということだろう……。
マコちんの行為を正当化して「殺してもいい」と受け取る子どもがいたら、それは不安すぎる。
しかも、ナイフを振り回すだけで、簡単に人が殺せると思ってしまうことが危険だ。
しかし、だからこそvsトヨ吉戦が面白い!
vsトヨ吉戦から学ぶこと
砂辺父が召喚した追跡の達人・マタギの六郷トヨ吉91歳。
無数の命を屠ってきたマコちんとトヨ吉の攻防は、社会の外に生きる者同士の壮絶な命のやりとり。
「命を奪う者は、自分の命も奪われる覚悟をしなければならない」
ネタバレになるので控えますが、トヨ吉の言葉はマコちんに全く響いていません……。
ここが、「神様、キサマを殺したい。」の非常に面白い、かつホラーなポイント!
最近、人の痛みに鈍感な人間が増えて生きにくさを感じる……。
些細なことで炎上したり、ブラックな会社が幅を利かせたり、これって他人に与えた痛みが自分に返ってくるという因果応報的な感覚が希薄になっているからだと思いますよ。
あなたの隣人がマコちんかもしれない……。
vsトヨ吉戦からマコちんの異常性と、こういう人間が増えている現実にどう向き合うか考えさせられます。
「神様、キサマを殺したい。」は、とんでもない設定の中に「なぜ人を殺してはいけないのか?」という答えの出ない哲学的命題に挑んでおり、マコちんと千穂がどのような結末にたどり着くのか気になる漫画だ!
まとめ
子どもが殺人鬼という設定なので、受け入れがたい方は手にとってはダメ!
完全に破天荒なワルであるマコちんの末路を見届けたい漫画。
また、自分の子どもをマコちんみたいな子にしたくないと願うお父さんには、反面教師的な意味で参考にできる漫画でもある。
しかし、長い間休載しています。
いつ復活するかは謎だ……。