パンが無ければ肉を喰え!
こんな帯を見せられたら持って帰るしかない。
「ベルサイユオブザデッド」は、「放課後のカリスマ」のスエカネクミコ先生による暗黒奇譚。
ただでさえ血塗られたギロチン祭りのフランス革命前夜、ゾンビ的な輩によってさらなる脅威にさらされるという……。
不死者と踊るフランス革命!堪能できるのは「ベルサイユオブザデッド」だけ!!
ベルサイユオブザデッド あらすじ
18世紀、婚姻のためオーストリアからフランスへ向かうマリー・アントワネットと双子の弟・アルベール。
道中、不死者の群に襲われた一行は全滅。唯一生き残ったアルベールはマリーに成り代わってフランスに嫁ぐが……。
ベルサイユオブザデッドの感想
ストーリー展開
かの有名なマリー・アントワネットのお輿入れ。
(緻密さに定評がある惣領冬実先生が描いたら1巻まるまる使うところ、スエカネクミコ先生は3ページでさらりと流す……。)
雅な馬車に揺られるのは、不服そうな顔をしたアルベール。
そして、同じ顔をした姉のマリー・アントワネット。
口がきけないアルベールはマリーがいないと生きていけない。替え玉ならぬ身代わりとして密かに旅に同行させられているのだ。
そんな最中、突如死人のような群衆に急襲される一行。
マリーはあっという間に群がった屍人に喰われてご臨終。
その場からなんとか逃走し宮殿にたどり着いたアルベールは、マリーの身代わりとして生きることになるのだが……。
アルベールおぬし何がしたい?
ゾンビがベルサイユを血に染める話かと思いきや、アルベールおぬし……。
話せないからマリーと一蓮托生なのではないのかい??
宮廷に着いたらソッコーでしゃべっているし……。
政略結婚で嫁いできたマリーが死んだら両国ともに困るのよ。
だから双子の弟・アルベールを身代わりにしましょうね。
ここまでは理解の範疇なのですが、早くも男だとバレてしまうアルベール。(エェェ〜?)
実はマリー・アントワネットが男でしたというハワワな設定が台無しだが、先に進もう。
男でも問題ナシ。そのまま婚姻の運び……。って陛下?
ルイ殿下も了承するし、アイデアの使い捨て感がハンパなくて、のっけから急ピッチな展開。
そして、怪しげなフクロウの計らいか?アルベールにはなにやら奇妙な力が備わっていて……。
不死者の首を刎ねまくる「悪魔憑きのアントワネット」=アルベールの目的は一体何なのか?
序盤、謎な展開だらけだがグイグイ引き込まれる。振り落とされんように手綱を引き締めよう……。
革新的歴史ゾンビ漫画
「ベルサイユオブザデッド」は、革新的歴史ゾンビダークファンタジー漫画ですぞ。(長い…)
フランスでは「甦り病」なる奇病が密かに蔓延していて、罹患するともれなく不死者になってしまうのだ。
不死者は人を喰うし腐っている。首チョンパのみ殲滅可能。よって、「不死者=ゾンビ」と解釈して良いかと思います。
また、ベルサイユ宮殿ではかわいいアントワネットが嫁いできて面白くないマダム・デュ・バリーが、自分の立場を死守するために不死者を使って何やらよからんことを企んでいる様子。
「ベルサイユオブザデッド 」はフランス革命とゾンビのコラボだけでは終わらない!
女装男子・アルベールに萌えたり、悪魔的な力を発揮した首チョンパ地獄、王宮に渦巻く陰謀や不死者の謎。
もう、大忙し!!
「ベルサイユオブザデッド 」は、鮮血過多気味のサスペンスとしても非常に楽しめる漫画だ!
まとめ
様々な角度から楽しめるフランス革命に新たなる1ページが加わりました。
不死者相手に大立ち回りする最凶のマリー・アントワネット(男)です。
赫足のゼフ級に髪を盛った冷酷(ドS)なアントワネットにひれ伏しそうになりました……。
スエカネクミコ先生の絵が最高♪
衣装や建造物など(あと首チョンパもね…)がとても素晴らしい仕上がりで、好きから大好きにランクアップ。
絢爛豪華なベルサイユが血に染まる様を満喫しよう!
フランス革命漫画は多々ありますが、マリー・アントワネットのお輿入れを忠実に描いた漫画といえば惣領冬実先生の「マリー・アントワネット」。
ヴェルサイユ宮殿美術館の全面協力のもとに当時の時代背景を忠実に再現。
巻末の参考資料を読むだけで、彼女のことがよくわかる!
同じく男装女子の王宮ものなら「王国の子」がおすすめ!