「暁のヨナ」は草凪みずほ先生による古代アジアをモチーフとした漫画。
「ベルセルク」の三浦建太郎先生が帯で推奨されていたので手に取ったほぴっとん。
国を追われる無力な姫と最強の護衛とか、こんなシチュエーション好きに決まっているじゃないか!馬鹿たれ!
四の五の言うな。ファンタジー好きならとりあえず読んでおけ!
あらすじ
高華王国の姫・ヨナは優しい父王や幼馴染で護衛のハクに大切に育てられていた。16歳の誕生日を控えたある日、ヨナが恋心を抱く従兄のスウォンが父を惨殺するところを目撃してしまう。ハクとともに城を逃れたヨナはハクの故郷・風牙の都に向かうのだが……。
暁のヨナの面白いポイント
「アルスラーン戦記」が王道ファンタジー漫画であるならば、「暁のヨナ」は王道ファンタジー少女漫画だ!
壮大な世界観の中に女子をキュン死にさせるシチュエーションが心地よく散りばめられている傑作。
ストーリー展開
お姫さまとして甘やかされて育ったヨナはきっと箸より重いものを持ったことなどないのでしょうね……。
悩みといえば赤い髪とくせ毛って……。クワを持てい!クワを……。(農民の怒り)
ヨナも年頃になってスウォンへの思いを募らせるのですが、彼女は一人娘なのです。よって、ヨナの夫が高華の王となります。
父王からスウォンだけは絶対ダメと言われたヨナは落ち込みますが、その夜スウォンに会って気持ちを伝えます。
しかし、その5日後ヨナは悲劇に襲われるのです。
なんと、ヨナはスウォンが父王を剣で刺し殺すところをうっかり目撃してしまうのだ!
ヨナとハクは今や緋龍城の主となったスウォンから王殺しの汚名をきせられ逃亡することになり、ハクの故郷・風牙の都に向かいます。
茫然自失となったヨナは風牙の都で傷ついた心を癒し、立ち上がります。
そして、ハクを守るために剣を取り追っ手を威圧する姿は鳥肌モノ!
ハクとともに崖から転落したヨナは偶然通りすがりの美少年に助けられ神官のイクスと出会います。
彼から「伝説の四龍の戦士を探しに行け」と告げられたヨナとハクは美少年・ユンとともに旅に出る……。
ヨナの旅立ち
ここからが「暁のヨナ」の本当の旅立ちです。
まあ、意外と四龍の戦士はあっけなく見つかるのですけど……。
その旅路の合間に世界の見聞を広げ、剣や弓の腕前とともにヨナ自身も成長していく王道のストーリーは安定感ありますよ。
か弱い少女が大切なもののために剣を取るとか涙腺に刺さるでしょ。
着飾ることが仕事でもあったヨナが、ボロボロになって過酷な旅を続け、手を豆だらけにして剣を振る姿は皆の心を揺さぶるのでしょうね。
ほぴっとんなんて16歳のころといったら、みかんの選別マシーンと化していましたが何か?
世界設定
ここで世界設定をおさらい。
緋龍王なる人物が建国した「高華王国」は五つの部族(空・風・火・地・水)の連合王国で空の部族が王族として統治しています。
高華王国の初代・緋龍王は龍の力を宿した四龍の戦士を眷属としており、彼らの力は子孫たちへと受け継がれていて、ひっそりと隠れ里で暮らしているのですが、四龍の戦士は先代から隠れ里の子どもにランダムにバトンタッチされるシステム。
新たに龍の力を授かった子どもは成長とともに先代の龍の血を奪っていくのです。
結構シビアで切ない設定で、里によって敬われたり恐れられたりと重たいストーリー展開が良いエッセンスとなっています。
少女漫画の王道
はっきり言って頑張り屋であるだけが取り柄の少女がイケメンを囲う逆ハーレム状態にウハウハする漫画。
ソン・ハク
ヨナの護衛で「雷獣」の異名で呼ばれる猛者。ハクには誰だって惚れますよ。ヨナたんのために怪我ばっかり……。兄と慕っていたスウォンへの憤りとヨナへの恋心に揺れるハクから目が離せない。
キジャ(白龍)
右手に龍の力を宿す。自称・四龍4兄弟の長男。世間知らずだが素直。ボケ担当でもある。重たいカルマを背負っているが、大切に育てられたので全てを受け入れる度量のある男。
シンア(青龍)
眼に龍の力を宿す。美しい黄金の瞳を持つが呪いのような力であるため里の人々から疎まれる。幼さを残すピュアな性格がキュンとくる。なまはげチックな装いだが実は一番男前か?
ジェハ(緑龍)
右脚に龍の力を宿す。ジェハはほぴっとんの中で脱ぎ要員だよ。裸はジェハが一番。ジェハが着ている肌着?みたいなやつがかっこいい。ドM。こじらせた男。
ゼノ(黄龍)
体に龍の力を宿す。戦闘能力はヨナ以下だが、ゼノの身体には秘密がある。旅のムードメーカーだが、明るい性格とは裏腹にゼノの過去は暗い……。
ユン
美少年かつやり手の母ちゃん。生活能力に欠けるメンバーとの旅路で専業主婦を軽く凌駕するほどのスキルを身につけ、とうとう金まで稼いでくる猛者に成長。旅に一番必要な人物。
- アオ
シンアの相棒のリス。あだ名はプッキュー。こいつのかわいさと食に対する貪欲さ、頬袋のブラックホール加減は異常。過酷な旅の潤い要員……。
四龍もキャラが濃いが、ユンが主婦としてヨナ以上の成長を見せる。ちなみにヨナよりユンの方がかわいい……。
一方、敵方もスウォンをはじめカッコイイ男ばかり。異色の世界観にいい男を配置。女は嫌悪感を抱かない程度の器量。
これが少女漫画の王道じゃい!
まとめ
勧善懲悪的なストーリーにしないところが「暁のヨナ」の魅力でもあります。
宿敵であるスウォンは王を殺したことはさておき、別に完全なるワルではありません。
広い世界を見ることでヨナもそのことに気づきはじめます。父王・イルは優しく平和主義でしたが、国を治めるにあたっては軟弱であったと言わざるを得ません。「臆病な王」として他国から領地を奪われても奮起せず弱体化を招いたために民の生活を低下させてしまう一面もあったのです。
スウォンが人民のために良い政治をするならば、ヨナの出番はありません。
しかし、それではハクの怒りのやり場がありませんし、四龍の戦士はなんで集ったんじゃい?となりますから、今後の展開が非常に楽しみなワケです!
ほぴっとんもこんなイケメンだらけの旅ならウハウハでしたいよ!
王道の大河ファンタジーロマンを味わいたいならとりあえず「暁のヨナ」読んでおけ!