マロニエ王国の七人の騎士|アバウトなのに綿密な世界観の中世騎士漫画

岩本ナオがまたやった……。前作「金の国 水の国」に続き「マロニエ王国の七人の騎士」「このマンガがすごい!2018」オンナ編1位を獲得!

2年連続の快挙とはね。やりおるな……。岩本ナオ先生の新作ということで楽しみにしていましたが、さっそく期待に応えてくれました♪

岩本ナオ先生らしい中世騎士ファンタジーの世界を堪能できる漫画だ!

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マロニエ王国の七人の騎士 あらすじ

マロニエ王国の女将軍・バリバラには七人の息子がいた。

彼らの大義は――

「いつかかっこよく 我が国のお姫様を助けること!!」

そんな彼らに与えられた任務とは…!?

マロニエ王国の七人の騎士の魅力

ストーリー展開

マロニエ王国の女将軍・バリバラには七人の息子がいた。

彼らは宰相の指令により、建国2000年のメモリアルイヤーにあわせて近隣諸国へ大使として向かうことに……。

「ぱっと行って、ピシッときめてこい」

母の超アバウトな肉体言語を解する長男と次男。

「いつかかっこよく 我が国のお姫様を助けること!!」

この大義さえわかっていればいいらしい……。男前だ!バリバラ将軍。

マロニエ王国を中心として八つの国からなるこの大陸は、20年ほど緊張関係が続いている。

そこで、友好をアピールする外交のため、兄弟の特性にあわせてそれぞれの国に派遣。

・北側の国

「夜の長い国」には 長男の「眠くない」

「寒い国」には 三男の「暑がりや」

「武力の国」には 六男の「剣自慢」

・南側の国

「生き物の国」には 五男の「獣使い」

「食べ物が豊富な国」には 七男の「ハラペコ」

「あったかい国」には 四男の「寒がりや」

「好色の国」には 次男の「博愛」

南側の4国は温和だが、北側の「寒い国」「武力の国」はマロニエ王国を占領したいとの思惑があるようだ。

良い関係性を築きつつ腹の中を探るという、アバウトな指令のワリになかなか難しそうなミッション……。

7人の騎士たちの今後の行方は……?

アバウトなのに綿密な世界観

「マロニエ王国の七人の騎士 」は、これぞ岩本ナオと言わんばかりのゆるゆるさが味な漫画だ!

主人公の騎士の名前が「眠くない」やら「ハラペコ」やら超テキトーなのですが、逆にいちいち世界設定を説明しなくても万人に伝わるので、ありといえばありなのでしょう。

さらに、国名も「あったかい国」など説明いらず……。

しかし、「眠くない」が向かった「夜の長い国」の話を読むと、その国独自の政治形態や宗教観、気候の変化など緻密な世界観があります。

似ているのは大陸の配置だけですが、小野不由美先生の「十二国記」のようで興奮しました。

「十二国記」では王がいなくなると国が乱れ、隣国も引きずられるように廃れていくという設定が乙でハマりまくったのですが、一見平和そうなマロニエ王国も不穏な空気が漂っている。

20年前に起こった大恐慌に秘密が隠されているのでしょう……。

今作は、ラブよりも政治色が強く何かしらの陰謀が隠されていると勝手に予想。(ほぴっとん好みだ…)

今後、7人の騎士たちを主役にそれぞれの国の事情が語られるもよう。

毎度のことながら岩本ナオ先生の「アバウトなのに綿密な世界観」にノックアウトさせられる漫画だ!

まとめ

やっぱり「マロニエ王国の七人の騎士 」は面白い♪

序盤では、四男の「寒がりや」が辺境伯の子息・ブルーノ(変装したクールビューティーな姫様)に恋心を抱く話が描かれていますが、本領は長男の「眠くない」「夜の長い国」に向かってからでしょう。

絵柄的にも、のんびりとした異世界ファンタジーなのかな?と思わされるのですが、伏線が張り巡らされていてワクワク感が止まらない!

このギャップに毎度のことながら惹き込まれるワケでして……。

本当に描きたくて仕方がないんだろうなと思わされる城や中世の騎士の暮らしぶりなども見所で、それだけでも満腹感がある。

まだまだ序章。続きが待ち遠しい漫画だ♪

岩本ナオに平伏せ!「金の国 水の国」も合わせて読むと面白さ倍増!

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