「無職強制収容所」は原作・鎌倉敦史先生、作画・昭伶先生によるサバイバルホラー漫画。
ニートは人権を失い再生or強制収容所送りになるというディストピアな展開が描かれている。
予想していたよりもテロルな設定だったので驚き!!
あらすじ
2022年、非労働者再生法が成立した日本。
6カ月を超えて一定の収入がない無職者は、再生処置施設で脳のリライト処置を受け労働意欲が高く高度な専門意識をもったマシーンへと生まれ変わる。
そんな中、外資系投資会社でトップクラスの成績を誇っていた神条達也は、ある日突然、職を失ってしまうが……。
職強制収容所の魅力
ストーリー展開
世界観設定の確認のため、引きこもり歴10年 典型的なニートの相沢有人・25歳が処分される場面から「職強制収容所」の物語はスタート。
6年前の2022年、突如成立した非人道的な法律「非労働者再生法」。
「非労働者再生法」は反発されつつも経済の活性化が優先され、強制的に無職の人間の記憶を消去し、再生処置を施したのち労働者マシーン=再生者に変えるというシステム。
人権蹂躙<税収UP
かなり無理のある設定だが、先に進もう……。
ここから第1話が始まる。
外資系投資会社で億を超える年収を稼ぐエリート、神条達也 27歳。
飛び抜けた才能を買われ入社4年目にして最年少でトップチーム入りするほどだったが……
それも、高木純也が入社するまでの話。
才能と経験が要求されるトップチームはほぼベテランで構成されているのに、何の成果も上げていない新入社員の高木がトップチーム入りしている謎。
どうやら高木は再生者ではないかという疑惑があって、しかもニュータイプらしいとの噂……。
新しいタイプの再生者は脳をクロックアップしてIQを高め、仮想的な業務経験もインプットされているとか……。
そんな中、達也は街で警官からパーソナルカードの提示を求められるも、誤検知だったので事なきを得る。
だがその後、唐突に人事に呼び出され本日付けでの解雇を言い渡されてしまう。
投資計画のリスクを指摘され、さらに業務を引き継いだ高木。
達也は高木を殴り職場を後にしますが、この一件が致命的だった。
自分の経歴ならすぐに次の職にありつけると思っていたが、暴力沙汰が尾を引き再就職が決まらない……。
エリート街道を突き進んできた達也にとって「非労働者再生法」など他人ごとだった。
6ヶ月後、「非労働者再生法」の執行を申し渡された達也。
しかし、達也が送られたのは再生処置施設ではなく強制労働。
達也は「3903」として、元陸上自衛隊の駐屯地で労働者再生機構保安局員の訓練を受ける事になるが、そこは異様な戦闘訓練と洗脳が行われる異常な収容所だった。
周囲の人間が自我を失う中、達也は必死に正気を保とうとするが……。
ストーリーのキモは何??
「無職強制収容所」はちょっとスタンスがよくわからない漫画。
陰謀論者ほぴっとんは、人間の仕事をコンピューター(AI)が奪う恐怖を再生者に見立てて風刺する作品かと勝手に思っていた……。
また、無職とは無縁のエリートが社会的底辺に落ちた事で見る世界を痛烈に表現する漫画なのかしらと勝手に思っていた……。
どうも、ニートは社会悪ですよと訴えかける漫画でもないし、テロルな世界観が広がる一方……。
「無職強制収容所」は3巻まで読んだものの、ストーリーのキモが何なのかは不明だ。
ちょっとあり得ない設定
「無職強制収容所」はちょっとあり得ない設定にポカンとさせられる漫画。
まず、世の中には怠惰で働いていない人もいるが、大半の人は事情があって働けないのだと思いますが……。
病気や怪我の方、介護をされている方、妊娠・育児中の方は免除されるのですか?
日本で普通に働いていたら「非労働者再生法」の基準額である月額7万円を超えることは難しくないと思いますが、上記の理由で免除なりされる人がいるなら、まず悪用されると思うのですが……。
この件について、作中では一切触れられていないのに唯一配偶者控除が認められている謎。
ポカンだよ!
時代と逆行していないか?
いちいち、漫画の設定に目くじらを立てる必要はないのですが、婚期を逃した女にとって配偶者控除は地雷なのだ!
まあ、今後語られるかもしれん……。
まとめ
どうやら「無職強制収容所」には「スリーパープロジェクト」なる陰謀が潜んでいるようだ。
ほぴっとんにとってはグロ度が低めだったが、囚人のような様相を呈する収容所の輩たちがブタに変わるシュールな世界が描かれているので好みではある。
メインが拷問生活なのか、サバイバル脱獄なのか、ミリタリー戦記なのかはわからんが、先の見えないストーリー展開であることは間違いがない!
この手の漫画はいつどこで急に舵を切るかわからん……。
多分、続きは買うと思うが、かなり後回しになるだろうと思う。