「双一の勝手な呪い」は、ほぴっとんが神7認定している漫画家・伊藤潤二先生による漫画。
「富江」や「うずまき」など、映画化された作品が多いので、こう思っていませんか?
→ ホラー漫画界を牽引する奇才・伊藤潤二。
間違ってはいませんが、ホラーはホラーでも一味違うの! 伊藤潤二先生の漫画は……。
ホラーが一周回ってもはや悶絶級のギャグ!
今回は、数多く出版されている伊藤潤二先生作品の中から、ほぴっとんが最も愛する「双一シリーズ」をご紹介。
そんじょそこらのギャグ漫画とは一線を画した笑いを堪能すべし!!
あらすじ
「双一シリーズ」は、父の勧めでこれまで付き合いのなかった田舎の遠い親戚の家に遊びに行くことになった兄妹・裕介と路菜が、一見和やかな家族に双一というホラーな末っ子がいたことで奇奇怪怪な事件に遭遇するハメになる話。
双一の勝手な呪いの魅力
双一は血液中の鉄分を補うために、常時クギを口の中に入れているというナナメ上な子で、「ホラーな目に会わせてやる」が口グセ……。
おばあちゃんに溺愛されて育ったため性格がねじ曲がっており、見た目もひ弱で趣味は呪い。
奇怪なファッションモデル・淵さんが登場する「噂」も捨てがたいが、ほぴっとんが「双一シリーズ」で一番好きな話は「四重壁の部屋」だ!
四重壁の部屋
期末試験を控えている長男・公一を突如襲ったポルターガイスト被害。
もちろん、双一の嫌がらせ。
腹を立てた公一は防音工事を依頼するのだが、派遣されてやってきたのは互須と名乗る奇妙な男。
双一の釘打ちを見て、ただ者ではないと思った互須は双一を助手にして工事を始めるが……。
出来上がった公一の部屋は、ドアの奥にドア、ドアの奥のドアの奥にまたドアという、だんだんドアが小さくなるマトリョーシカ製法で作られていた。
太めの母さんは入れないほどの狭さになってしまったが、静寂を手に入れた公一はご満悦。
しかし、双一は恐るべき報復行動を企んでいた!
抱腹絶倒とはこのこと……。
根暗で陰険、やることなすこと全てがホラー。なのにちょっとドジっ子でかわいい双一……。
ここまで堂に入った丑の刻参りをする小学生なんて、双一ぐらいですよ。
伊藤潤二史上最強のキャラクター・双一が引き起こすトラブルは恐ろしいのにマヌケすぎて、つい応援してしまう。
きっと、あなたも双一の虜になるはずだ!
双一の勝手な呪い 収録作
ほぴっとんは、「伊藤潤二恐怖マンガCollection」の方で「双一シリーズ」を所蔵しているのですが、朝日新聞出版(ASAHI COMICS)から小学生時代の「双一シリーズ」全作品を収録している「伊藤潤二傑作集 3 双一の勝手な呪い」が出版されています。
・楽しい夏休み。
・楽しい冬休み。
・双一の楽しい日記
・双一の家庭訪問
・布製教師
・双一の誕生日
・双一の勝手な呪い
・四重壁の部屋
・棺桶
・噂
ありがたや……。
また、「闇の声<全>」に「お化け屋敷の謎」「双一前線」「双一の愛玩動物」という「双一シリーズ」続編(大人になった双一)が収録されているのでお忘れなく……。
闇の声<全>
恐怖三昧の短編集「闇の声<全>」は、「グリセリド」のためにあり!
「グリセリドーあぶらー」は、自宅の1階で焼肉屋を経営しているため、換気が悪く脂(あぶら)にまみれた家で過ごす唯に降りかかる悲劇が描かれている。
ピンポンパンポン ただ今の部屋の油度(ゆど)は50%
火の元にはくれぐれもご注意下さい
油度!
油度!
ありがとうございます。
油度だけでお腹いっぱいでございます……。
唯は脂性の父と油のように陰湿な兄(?)と暮らすうちに油を嫌悪し、空気中の油の濃度を「油度」と名付けるのだが、サラダ油をラッパ飲みする兄が思春期に入ると顔にある異変が起こる……。
迫り来る「油度」の恐怖!
唯と油浸りになった兄の行く末は……??
たまらんよ!「油度」なんて斬新な言葉使われたら……。
※「闇の声<全>」は、「闇の声」と「潰談」を文庫にまとめた作品なので、ご注意を!
まとめ
伊藤潤二先生の感性には脱帽するしかない……。
ほぴっとんは、笑いとして捉えていますが絵のタッチがホラーそのものなので、苦手な方もいるかも……。
しかし、不気味さの中にあるシュールな笑いと独特のテンポ。この絶妙なさじ加減が他の漫画では味わえないのよ。
伊藤潤二ワールドに絡め取られたら最後、抜け出すことはできませんぞ!