「宇宙兄弟」は小山宙哉先生による学習漫画?(のジャンルに入れてよい仕上がり)
野球選手やサッカー選手と並んで子どもたちの憧れの職業、「宇宙飛行士」を目指す2人の兄弟の実録モノに近い漫画だ。
「どうやったら宇宙飛行士になれるの?」という疑問に対する明瞭な答えが用意されている非常にタメになる漫画かつ、胸にズバズバ突き刺さる名言が多いことでも知られている漫画だ。
あらすじ
子どもの頃、夜空に浮かぶUFOを目撃したことで「宇宙飛行士になろう」と約束を交わした兄弟、兄・六太と弟・日々人。
その20年後、弟は約束どおり宇宙飛行士となり月面に向かうことが決まった。
一方、兄の六太は会社をクビになり無職となってしまった。
日々人からの1通のメールをきっかけに、六太は再び宇宙を目指すことになるが……。
宇宙兄弟の魅力
人よりシャンプーがよく泡立つ天パの兄・六太といつでもハートがゼロ−Gの弟・ 日々人。
困難があっても「宇宙飛行士」への道を着実に歩き続ける兄弟の熱きドラマに涙されられる漫画。
ストーリー展開
幼い頃からの夢を追いかけて来た兄弟。
しかし、兄の六太はいつからか現実を知り宇宙飛行士になるための狭き門を自分は越えられないと夢を諦めてしまっていた。
そんな中、マイペースな弟・ 日々人が宇宙飛行士となり六太は先を越されてしまう……。
(無職の兄と宇宙飛行士の弟という職業格差がハンパない)
日々人からのメッセージで「俺らは2人で宇宙飛行士になるぞ」という約束をした日のテープを聞いた六太は天文学者のシャロンの励ましもあり、忘れたふりをしていた「宇宙へ行きたい」という自分の本当の気持ちに気づくのだった。
そして、「宇宙兄弟」はJAXAによる宇宙飛行士となるための選抜試験が始まると、超絶的に面白くなる!
特に第3次審査!
完全なる閉鎖環境で2週間もの間、他の候補者たちと共同生活を送るのだが、JAXAからの秘密指令によって疑心暗鬼に陥るメンバー。
しかも、最終日に自分たちで合格者2名を決めるという難題……。
ライバルかつ同志たちは、第3次審査に参加している時点で誰が選ばれてもおかしくないほど優秀な人材ばかりで、南波日々人の兄という色眼鏡で見られる六太には分が悪かったりもする。
これは、モメる。その様子をJAXAはこっそりのぞき見しているのだ。
宇宙飛行士といえば、誰しもが知るメジャーな職業だが、実際のところどのようにして職につくか?一般人は誰も知らなかったりする……。
選ばれし者のみが宇宙に飛び立てると思っているが、そういやどうやって選ぶか知らんかったわ。
その点「宇宙兄弟」は詳細な宇宙飛行士への道が描かれているので希望が持てる漫画だ。
宇宙兄弟名言集
「兄とは常に弟の先を行っていなければならない」との名言からスタートする宇宙兄弟は、主人公の六太と日々人以外のキャラクターも息を吐くようにナイスな言葉を発する……。
そんな中でも、やはり六太の名言がズバ抜けてハートにヒット!
俺の敵は だいたい俺です
表情筋に動きがないせっかちな訓練教官・ビンスから君にとっての敵は誰か?と問われて、この返答。
自分の夢を邪魔して足を引っ張るのは、いつも自分。
このセリフにハッとした方も多いのでは?
一番ふさわしいと思うのはケンジです
でも一番なって欲しいと願うのは……せりかさん
ところが実は─── 一番なりたがってるのは……俺です
カツオこと紫三世から一番宇宙飛行士にふさわしいと思うのは誰だ?と問われてこのセリフ。
ケンジとせりかをしっかり持ち上げておきながらの自分アピール。
こんなこと言われたら、もう応援するしかないじゃないか!
本気の失敗には価値がある
モノ作りには失敗することにかける金と労力が必要。
いい素材を使っているモノがいいモノとは限らない。
おっしゃるとおり、言葉もありませんよ。しかしながら、思い切って失敗するためには勇気も必用なワケで、不安になった時には六太のこの名言を思い出そう……。
今のは”心のノート”にメモっとけ
歯抜けのおっさんデニール・ヤングの名言より
いついかなる時も「心のノート」を広げられるようにしておこう……。
(名言は小山宙哉 講談社 宇宙兄弟 より引用)
鉄板の安心感
設定が複雑化するSF漫画の中で、シンプルかつ王道を行く「宇宙兄弟」。
「宇宙兄弟」は老若男女問わず誰にでも薦められる鉄板の安心感を持った漫画。
首が吹っ飛んだり、変なエロが絶対に入りませんから……。
また、六太と日々人の人柄が良い。邪推を真っ向から切る心意気が清々しく、好感がもてる2人は万人に愛されるキャラクターだ。
「宇宙兄弟」は子どもに読ませたい漫画です。夢に向かって頑張ること、自分の好きなことを大切にすること、あと強運を味方につけること。
六太はドーハの悲劇が起きた日に生まれたため「自分は不運に縁がある」と思い込んでいますが、実際はものすごい強運のポテンシャルを秘めている。
オリンピックで金メダル争いをするような選手は努力するのは最低要素で、プラスαの運がないと勝てなっかたりする。
六太は宇宙飛行士となるための運を持っているのか?
「宇宙兄弟」はワクワクが止まらない漫画だ!
まとめ
宇宙飛行士がどんな訓練をして、どんな風に宇宙へ行くのか?
読み始めるとページをめくる手が止まらない……。いつも一気読みをしてしまう漫画だ。
「宇宙兄弟」を読んで不快な思いをする方はいないでしょう。
お休みの日にドカンとまとめて読もう!!