MONSTERなど浦沢直樹の殿堂入り傑作サスペンス漫画・まとめ

浦沢直樹先生をご存知ない方などいませんよね。数々の漫画賞の受賞歴を誇る日本を代表する漫画家です。

MASTERキートン」などの原作つきの漫画やYAWARA!などの女子スポーツを描いた作品のイメージが強かったのですが、サイコサスペンス漫画MONSTERにて新境地を開きました。

今回は浦沢直樹先生の殿堂入り間違いなしの傑作サスペンス漫画をまとめてみました!

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MONSTER

とりたてておすすめする必要のないサイコサスペンス漫画の金字塔「MONSTER。全18巻、完全版全9巻。

MONSTER あらすじ

天才脳外科医・天馬賢三(Dr.テンマ)はドイツの大病院で将来を嘱望された医師だったが、ある日院長からの命令を無視してヨハンという少年の命を助けたことで殺人事件に巻き込まれ、殺人犯として追われるようになるが……。

MONSTER 感想

テンマはヨハンの命を助けることで医者の本分に立ち返ることができたが、結果そのことが名前のない怪物を世に解き放ってしまった……。

連続殺人事件の容疑者にされてしまったテンマは、自らの手で「怪物」ヨハンの命を絶つべく逃亡しながら彼を追う旅に出ます。

そこで出会う人々との交流が描かれ、凍りつきそうなほど重たすぎる展開に家族愛や人間愛などの微笑ましいエピソードが温もりをくれる。

また、時代背景が緊迫したストーリーを加速させています。

ドイツ、チェコを舞台としたおとぎ話に出てくるような世界に横たわる東西冷戦の名残。ヨハンが絵本「名前のない怪物」と自分をリンクさせたシーンが一番のお気に入り……。

深い闇が侵食していく恐怖感を味わえる漫画!

20世紀少年

狂気の沙汰としか思えないが「MONSTER」と並行して描いていたSFサスペンス漫画。全22巻。

20世紀少年 あらすじ

コンビニを営む主人公のケンヂは失踪中の姉の娘・カンナを育てつつ冴えない日々を送っているが、そんな中ケンヂの周囲で不可解なことが起こるようになる。そして、世間で起こっている様々な事件がケンヂたちが小学生のころに作った「よげんの書」の通りに起こっていること、かつての「トモダチ」の1人によって起こされていることを知るが……。

20世紀少年 感想

20世紀少年」の舞台は1997年(連載当時の現在)と大阪万博が開催された1970年頃を中心として展開します。

超はしょってストーリーを説明すると、ロックスターを夢見ていたケンヂだが、大人になるにつれ日常に忙殺され少年時代に熱狂していたことを忘れてしまっていました。

ところがある日、世の中に次々と起こる不可解な事件が子どもの頃に自分たちが空想した「よげんの書」にそっくりだと気付き、空想の計画・世界征服を大人になった「トモダチ」が実行しようとして、その暴挙を止めようとケンヂたちが奮闘するストーリーです。

子どもの時に思いつきで考えた巨大ロボや細菌兵器などを用いて世界征服に打って出る「トモダチ」ですが、この輩の行動力と実践力にただただ驚かされましたよ。

しかし、この謎の人物「トモダチ」が一体誰なのか?誰にもわからないという、目指す目的が曖昧なだけに謎が謎を呼ぶ展開となっています。

20001231日に世界が鮮血で染まる……。まさに20世紀少年というタイトル通りの漫画!

21世紀少年

長い間追い続けてきた「トモダチ」の正体が判明する20世紀少年の完結編。全2巻。

「誰だ、お前⁉︎ 誰だ、お前⁉︎」とある種の衝撃が漫画界を震撼させた結末……。

論争が繰り広げられる分だけ皆が浦沢マジックにハメられてしまっている証拠ともなった漫画。

浦沢直樹先生自身が過ごした1970年代の社会背景の中のさりげない日常から、まるっきり非日常的な世界的陰謀に満ちた現代をうまく交錯させるストーリーは圧巻だ!

PLUTO


PLUTO」はGOD・手塚治虫先生の「鉄腕アトム」に含まれる「地上最大のロボット」の回を原作としたSFサスペンス漫画。全8巻。

PLUTO あらすじ

人間とロボットが共存する時代に、最高性能を誇るロボットが次々に破壊されるという事件が相次ぐ。そんな中、ユーロポールの特別捜査官であるゲジヒトは自分を含めて世界に7体存在する高性能ロボットが犯人の標的であると推測する。日本に渡り、限りなく人間に近い存在であるロボット・アトムと共に謎を追うことになるが……。

PLUTO 感想

主人公が子どものアトムではなく「ロボット刑事」であるゲジヒトに変わったためミステリー色が強くなり、これぞ浦沢と言われるSFサスペンスに仕上がっています。

「誰からも愛されたロボットの死」から始まる謎は「人間の痕跡のない部屋で起きた殺人事件」へリンクし「頭に突き立てられた2本の角」へと集約します。

大量破壊兵器にもなりうる最高峰のロボット7体の存在と「ロボットは人間を傷つけることも殺すこともできない」というロボット法がダブルスタンダードになっており、より世界設定の複雑さを増しているところが引き込まれるポイント!

人間による犯行なのか?それともロボットによる犯行なのか?

浦沢直樹先生のサスペンス漫画の中で唯一、一夜での一気読みが可能な漫画。

BILLY BAT

一瞬、浦沢先生の新作アメコミ⁉︎ と動揺したのはほぴっとんだけではないはず……。全20巻。

BILLY BATあらすじ

1949年・アメリカ。日系アメリカ人のケヴィン・ヤマガタが描いたアメコミ「BILLY BAT」が大人気となっていた。しかしある時、ケヴィンは日本に「BILLY BAT」そっくりの漫画があると知り、真偽を確かめるため日本へと渡るが……。

BILLY BAT感想

紛れもなく主役はコウモリですね。というのも主人公がコロコロ変わるので、「今誰目線?」と困惑してしまいます。

同様に時間軸の振り幅も紀元前から2001年とどえらいスケール。しかも不規則に飛び飛びに描かれているので、ちんぷんかんぷん状態に陥り長年完結待ちをしておりました。

2016年に全20巻で完結!ようやく読めましたよ……。

PLUTO 」はどちらかといえば「MONSTER」より、「BILLY BAT」は「20世紀少年」に近いスタンスで描かれています。ほぴっとんは「MONSTER」派ですのであまりフィットしませんでしたが、陰謀論が大好物な方にはもってこいの漫画!

まとめ

浦沢直樹先生が一体いかなるメンバー編成でこのような傑作漫画を生み出し続けているのかが一番の謎だったりする……。

浦沢直樹先生は5人ぐらいいるのではないか?と疑っているほぴっとん……。

そうでないと、ここまでクオリティの高い作品を連発して世に送り出すことなど不可能だ。

しかし、不可能を可能にするのが浦沢直樹!

また是非とも新たなジャンルに挑んで欲しいと願っています。