【漫画】予告犯|クズに制裁を!恐るべきサイバー予告犯罪を見よ!

「予告犯」は「マンホール」の筒井哲也先生によるサスペンス漫画。全3巻。

新聞紙男がネット動画で犯行を予告し制裁するという、知能犯vs警察という構図で描かれている「予告犯」。

ネット社会の闇を描いた衝撃のサスペンス。

筒井哲也先生ならではのタブーへの切り込み方が秀逸な漫画だ!

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あらすじ

「明日の予告を教えてやる」

ネット動画サイトに犯罪予告を投稿し、実行していくテロリスト“シンブンシ”

歪んだ社会に制裁を与えることで次第に共感と指示を集め、社会現象を巻き起こすまでなった。

警視庁サイバー犯罪対策課は謎の予告犯“シンブンシ”の追跡を始めるが……。

予告犯の魅力

ストーリー展開

ネットカフェ(汗臭いタコ部屋)から世界を変えてやる!とのこと……。

新聞紙を目出し帽代わりにした男が、、集団食中毒を起こしても反省の色を見せない某食品加工会社への放火をほのめかした「予告」を動画サイトに投稿。

そして、なんと実際に食品加工会社が炎上!

冷やかしや悪ふざけではないのだ。

標的となる人物や企業に制裁を「予告」し、次々に実行していく……。

犯罪予告を繰り返す男=シンブンシ

そんな“シンブンシ”(新聞男)を追うのは、エリート捜査官・吉野絵里香率いる警視庁サイバー犯罪対策課。

“シンブンシ”は某昆虫を唐揚げにしたグルメ君や、性犯罪事件への配慮のない発言をしたつぶやき君の「予告動画」を投稿しており、被害者を特定した吉野は捜査を開始。

すでに罰を受けていたつぶやき君は「小太りの男」から拉致監禁されたと証言するが、動画で見た感じの“シンブンシ”をぽっちゃり体型と呼ぶには語弊がある。

さらに、放火の犯罪現場にいた“シンブンシ”は長身の男で……。

複数犯による犯行なのか?

当初は批判的な意見が多かったものの、自尊心を奪い取ろうとする何かを憎み、理由なき侮辱を許さぬ“シンブンシ”が「俺が殺す 必ず殺す だから何も溜め込むな」とのメッセージ動画を生配信したことで、ネットユーザーから支持を集め始めるが……。

ネットの世界を駆使してテロを企てる新聞男。

彼は一体何者なのか……?

身近な恐怖・SNS

ほぴっとんはSNSを一切利用しておりません。

と言いたいところですが、自分は投稿しないものの、見知らぬ誰かが投稿したものは勝手に目に入ってくるので防ぎようがない。

一般的な社会生活を送っているとSNSと関わらずに生きていくのは難しい……。

だからこそ、「予告犯」で描かれるSNSホラーな一面に正直怯えます。

ほぴっとんももっとSNSを明るく便利なツールとして活用すれば良いのですが、なんだかSNSに対して底知れぬ不気味さを感じるのですよ。

「世の中には想像を絶するレベルの馬鹿がいる」

「歪んだ正義を振りかざして 溺れた人間に石を投げる」

by 吉野絵里香

まあ、作中のこのセリフが代弁してくれています。

「予告犯」でも、SNSを使ってディスったり共感したりなんでもあり状態に……。

顔が見えないネットユーザーならではのライトなつぶやき。それに踊らされる人々。

リアルタイムな臨場感が伝わってきて最高の仕上がりだ!

情報というあやふやなモノ

昨今、情報が溢れすぎて真偽のほどが不明なネタが多くなっている。

「予告犯」の2巻では、ほぴっとんが興味深く捉えている反捕鯨団体が制裁のターゲットになります。

ここでは、情報というものは見せ方次第でどうとでもなるというメディアの腐った一面が描かれている。

捏造された情報が世に蔓延っている現実を見せつけられるようでした。

こういうタブーに特攻をカマす筒井哲也先生の心意気に毎度のことながら感服……。

予告犯─THE COPYCAT─

「予告犯」のスピンオフ漫画「予告犯─THE COPYCAT─も出版されています。全3巻。

「シマウマ」の小幡文生先生が作画を担当。原案は筒井哲也先生。

“シンブンシ”に影響された高校生がコピーキャット=模倣犯となって社会の底辺から抜け出そうとする話。

バイオレンス上等!な漫画になっています。

ただ、ほぴっとんは筒井先生の絵が好きなもので、残念だった……。

個人的には支離滅裂な人間がオンパレードの「シマウマ」があまり好みではなかったこともあり、「予告犯─THE COPYCAT─」も「シマウマ」っぽいノリになっていて微妙。

「シマウマ」が好きな方は必読の漫画だ!

まとめ

サイバーな展開を楽しむ漫画なのに、ほぴっとんがネット社会に疎いために知的さを満喫できぬ不甲斐なさ……。

「予告犯」のクライマックスに関しては受け取り方によって好みが分かれると思いますが、“シンブンシ”の真の目論見から人間の繋がりを感じることができます。

「予告犯」は全3巻にギュっと凝縮されていて、本当に読み応えがある漫画。

サスペンス好きな方はもちろん「ガイアの夜明け」が好きな方にもおすすめ。

ネット社会の闇や情報規制、労働に対する警鐘が鳴らされているすこぶる面白い漫画だ!