ボールルームへようこそ|君の心はいつ踊る?傑作認定ダンス漫画!

「ボールルームへようこそ」は、竹内友先生による競技ダンス漫画。

いやはや、完結を待たずして傑作認定漫画ですぞ!

「宇宙兄弟」と同じく、どこのどなた様にでも安心しておすすめできる面白い漫画だ。

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あらすじ

平凡な中学生、富士田多々良は将来の夢も特に無く、無為な日々を過ごしていた。

そんな中、不良に絡まれているところを謎のヘルメット男に助けられ、社交ダンスの教室に連れて行かれるが……。

ボールルームへようこその魅力

ストーリー展開

スポ根王道漫画の鉄則にもれず、平凡・小柄・未経験と三拍子そろった主人公・富士田多々良

そんな多々良は典型的なカツアゲのカモで、不良に絡まれているところをプロダンサーの仙石要に助けられる。

半ば強引に小笠原ダンススタジオに連れて行かれたのだが、どうやら仙石は電柱に貼られたアルバイト募集の張り紙を見ていた多々良を、そのすぐ斜め下に貼ってあったダンス教室の生徒募集の張り紙を凝視していたものと勘違い。

年頃の少年が男女の密着度がハンパない社交ダンスをやりたいなんて言い出せなかったのだろうと慮っての行為なのだ。

グループレッスンに混じることになった多々良は、偶然にも教室に通う同級生の花岡雫とカップルとなって踊ることになるが、彼女から「冷やかし?それともスケベ?」と告げられる。

雫のことを何の夢もない自分と同じ進路で悩む仲間だと思っていた多々良は、雫が海外留学を見据える現アマチュアチャンピオンのコンペダンサー(選手)であると知り、「最低だ」と己を恥じて逃げ帰るようにその場を後にした。

しかし、営業上手な小笠原ダンススタジオのスタッフ円谷環が、こっそり多々良のカバンに仙石が去年出場した大会のDVDを忍ばせていた。

それを見た多々良は、仙石に魅せられ「僕は変わらなきゃ」と社交ダンスの世界に足を踏み入れることになるが……。

ココがすごいよ!

① ダンスシーン

「ボールルームへようこそ」の最大の魅力といえば、圧巻のダンスシーンでしょう!

パッションが伝わってくるよ……。

カップルの息がぴったりあった時の高揚感!

雫のリーダー・兵藤清春のハートに一瞬で火をつけた多々良の感情をむき出しにしたダンス。

「ボールルームへようこそ」は、ダンスの時の表情がいいんだよなぁ〜。

読めば、わかるよ!この凄さ♪♪

② 多々良のポテンシャル

また、「ボールルームへようこそ」の面白い点は、多々良のポテンシャルが未知数なところ……。

観察眼とボディ・ランゲージ(以心伝心)に優れていることはわかるが、それ以上の何かが多々良にはあって、師匠の仙石でさえ気づいていない。

まるっきりのダンス初心者である多々良が見る人を魅了する何か……。

その、いびつに成長する才能の片鱗に雫や清春は触発され期待を寄せている。

いずれ歴史を変えるほどのダンサーになるだろうとの予感に対して、現状がちんちくりんすぎるので、いつ(何巻で)覚醒するかが見もの!

③ 社交ダンスへの問題提起

ほぴっとんが「ボールルームへようこそ」の中で、注目している点がありまして……。

それは、カップル同士の一体感が求められるはずの社交ダンスで、いざ競技となると審査員は男性のリーダーを見て評価するとのこと。

さらに、選手登録用紙には男性リーダーの名前のみ記入し、女性はカップル登録の欄におまけのように名前を書いて、背番号もリーダーのみに与えられる。

「知らんかったわ。なんかモヤっとする」

上位ラウンドに食い込まないと女性パートナーは添え物扱いですよ。

こういう社交ダンスへの問題提起をさらりと挟んでくるあたり、高く評価できる漫画だ!

④ じゃじゃ馬ならし

「ボールルームへようこそ」は、高校に進学した多々良がクラスメートの緋山千夏とカップルを組んでからが神がかり的に面白い!

リーダーとして頼りにならない弱腰の多々良には千夏のようなハッキリした性格の子が良い。

千夏は元リード(男)役だっただけに長身でパワーもあり、おまけに顔もカワイイ。

だた、気が強すぎてもはや暴走特急……。

「振り回すんじゃない 下手くそ」

このセリフ痺れるわ〜♪

「騙されたと思ってついて来て」とは言ったものの、音楽的感性もリズムも違うし制御不能な千夏。
多々良は千夏とボールルームをかっさらうことができるのか……?

いや〜。何回読み返しても「ボールルームへようこそ」は面白いわ〜♪

まとめ

「ボールルームへようこそ」の唯一の難点は、竹内友先生の体調不良により刊行ペースが緩やかになってしまったことだ……。

しかし、瑣末なことですぞ!

うさぎ小屋に漫画をパズルのように詰め込んで生活をしているほぴっとんだが、「ボールルームへようこそ」を控え(棚の奥)に回したことがない。

ほぴっとんのクレイジーな書架の最前列に常駐できる漫画は極めて稀。

その圧倒的な熱量ゆえ、頻繁に読み返さないと発作が起きるほど……。

「ボールルームへようこそ」は、かなり中毒性が高い漫画だ!