「BANANA FISH」は「海街diary」で知られる吉田秋生先生による不朽の名作。コミックス全19巻、文庫版全12巻。完結済み。
ほぴっとんが初めてマフィアという言葉を知った作品でもあります。ジャンル分けが難しいストーリーですが、キーワードはやはり「バナナフィッシュ」の謎解きだろうということで勝手にハードボイルドサスペンス漫画としました。
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BANANA FISHの魅力
- 老若男女問わず魅了したアクション大作「BANANA FISH」の映画のようなスピード感にハマること間違いなし‼︎
あらすじ
1973年、ベトナム。一人の若い米軍兵士が突如錯乱状態に陥り、銃を乱射した。
仲間に銃で両足を撃たれた男は放心したまま「バナナフィッシュ」と繰り返しつぶやく……。
1985年、アメリカ・ニューヨークの暗黒街は非情と暴力に支配されていた。
ストリートキッズの取材でカメラマンのアシスタントとして日本から来た奧村英二は、ストリートキッズのボスである少年アッシュ・リンクスと出会う。
アッシュはIQ200の頭脳と飛びぬけた戦闘能力をあわせもったカリスマ。
「バナナフィッシュ」を巡ってマフィアとの戦いが始まろうとしていた……。
BANANA FISHの感想
おすすめする必要が感じられないほどの名作。誰が読んでも感動する話です。
最初はストリートキッズ間の抗争だったのが、「バナナフィッシュ」の謎に近づくたびにアメリカ社会の暗部に目が向けられる。
美しい容姿で「白い悪魔」と恐れられる孤高の天才・アッシュが、唯一心を許した英二との友情物語は儚くも麗しい。
アッシュはほぴっとんの王子様ですからね。英二なんて本当は「頭(こうべ)を垂れろ、貴様!」と言いたいところですが、英二がまたいいヤツでね。
「もう、しょうがないか……。」と思うのですよ。
アッシュには英二のようなピュアな人間が側にいた方が良いのでしょうね。
もうアッシュと英二を応援しちゃっている気分だっただけに、ラストシーンは嗚咽が漏れましたけど……。
読み始めは絵の古臭さを感じますが、終盤はほぼ「海街diary」のタッチになっていますからご安心ください。
友情を越えたところにある何かに気付くことができる読後感の良い作品です。
(ハンカチもしくは柔らかいチリ紙は必須アイテム)
「BANANA FISH」を読んだなら「YASHA」「イブの眠り」も読んでおこう!
YASHA-夜叉–
コミックス全12巻、文庫版全6巻。
「BANANA FISH」の牙城を崩すのは「夜叉」だったか……。
恐るべし!吉田秋生先生!
あらすじ
沖縄の離島でのんびり幸せに暮らしていた少年・有末静。まわりの子とは少し違っている静は平凡を装って生きている。だがある日謎の男たちに母を殺され、拉致されてしまう。静の体に隠された秘密とは……⁉︎
遺伝子操作で生まれた静は「新しい人類」で、知能や身体能力は人の能力を逸脱している。
静は今まで存在を知らされていなかった双子の弟・凜と出会うが、やがて凜が未曾有のバイオテロを引き起こしたため、2人は争っていくのですが、バトルシーンがスタイリッシュで読み応えがあります。
幼少期に母親や友人の愛情を受けて育った静と祖父に虐待されて育った凜。表裏一体の様相を呈す双子の悲しくも感動的な話。
「BANANA FISH」と作品世界を共有するので、ファンには垂涎ものの作品となっている。
イブの眠り
コミックス全5巻、文庫版全3巻。
「YASHA」の主人公・有末静の遺伝子を受け継ぐ少女・アリサ。彼女を待ち受ける想像を絶する運命とは?
「イブの眠り」は「YASHA」の18年後のお話なので、「YASHA」を読んで気に入ったらどうぞ……。
まとめ
吉田秋生先生の作品は「吉祥天女」や「河よりも長くゆるやかに」も面白いですよね。
シャープな絵柄に骨太のストーリー、ややハードボイルドっぽい雰囲気が最高です。
瞳に星が飛んでいる少女漫画チックな絵柄ではないので、女子はもちろん男性も抵抗なく読める作品だと思います。
少女漫画の歴史を変えたと言われている作品ですから、間違いなく傑作!