「寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。」は三秋縋先生の人気小説「三日間の幸福」を田口囁一先生が完全コミカライズした漫画。
完全にタイトル買いしてしまった……。
しかし、感動を味わう漫画だと気づかずにサーと流してしまった。
どうしよう……。
ハンカチを用意して読み返した方がよいのだろうか……?
あらすじ
毎日を無気力に過ごしていた青年クスノキは、金に困って訪れた古書店で老店主から寿命を買い取ってくれる店の噂を聞く。
半信半疑で店主に紹介されたビルへと向かうと、その店は実在した。
クスノキは寿命と引き換えに対価を得たが……。
ストーリー展開
時間か?健康か?寿命か?
この「寿命を買い取る奇妙な店」では、寿命のほかに時間や健康も売れるらしい……。
クスノキの査定の結果は、1年あたり1万円という最低買取価格。
余命30年分で30万円。
何ともしょっぱい金額だ……。
どうやら諮問機関の判断で、幸福度・実現度・貢献度によって値段が変動するらしい。
金額を提示されてしまうと、クスノキが救いようのない底辺の男だということがわかって切ない……。
余命3ヶ月を残して、残りの30年の寿命を全て売り払って店を出る。
すると翌日、クスノキの部屋に監視員を務めるミヤギ(女)がやってきた。
問題行動を起こす事態を防ぐためのシステムらしく、クスノキは残りわずかな時間をミヤギとともに過ごすことになるが……。
クスノキは、わずかな余生をどう生きるのか……?
感動する…??
「寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。」を読んで何一つ心を動かされなかったほぴっとん。
情緒障害なのだろうか…?
いや、涙脆い方ですよ。ほぴっとんは。
おそらく、主人公のクスノキさんに全く感情移入ができなかったからでしょう……。
何かを変えようと思っても変えられない人間だから、査定額が1万円ポッキリになるワケで、自暴自棄にもアッパーにもならず、淡々としたまま。
彼なりに頑張ったのかもしれませんが、思い返すのが幼なじみの女の子って……。
人とのつながりを絶った人間が他人を幸福にできるか?
そんなの、ブッダクラスの聖人でも無理ですよ……。
クスノキさんがもっと思い切った行動をとってくれたら、ついて行ったのに。
でも、もしかしたら世間にはクスノキさんのような方が多いのかもしれませんね。
寿命を買い取るなんて、余命宣告されてラッキーと思うほぴっとんのような輩には、成立しないアイデア。
「いつ死ぬかわからん方が怖いわ!」
そして、残りわずかな時間を、今と変わらず漫画を読んで過ごします。
胃腸虚弱なため普段食べられない山盛りのトンカツを食し、腰痛を気にせず柔らかいソファーで、寝る間も惜しんで漫画を読む。
それで、ヘラヘラ笑いながら人生を終えるなんて、幸せだ!
どうしよう……。
ほぴっとんの査定額が1万円だったら。
「キングダム」のまとめ買いすらできぬではないか!
幸福度は高いんだけどな〜?
こんな方におすすめ
この漫画は、はっきり言って不幸な方向け!
万年金欠のくせに浮かれポンチキに暮らしているほぴっとんのような輩には、全く響かない……。
自分の寿命が1年・1万円
「安すぎやしないか……?」
すぐにこう思った方は、自意識が高く幸福度も高いので、おそらく査定金額が1万円にはならない。
「相場はどのくらいなのだろう?」とか「安いか高いか、わからない」と思った方は、読むと共感できるかもしれん……。
多分……。
・リア充とはほど遠く、社会貢献度が低いと思っている方
・自分の人生を見つめ直したい方
・大昔に別れた彼女のことが忘れられない方
こんな方たちには、ハンカチが必要な漫画かもしれん……。
まとめ
もし、ほぴっとんの命に値段がついたなら?
その値段がいくらであっても、親は諮問機関とやらに特攻をカマすでしょうね。
両親にとってほぴっとんの命はプライスレス!
疑いようがないぐらい愛されて育ったので、それだけでも幸福度が高い。
母ちゃん!漫画馬鹿に生んでくれてありがとう♪
自分の人生がどれだけ充実しているか?
「寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。」は、それを示してくれる貴重な漫画だ!