「今夜は月が綺麗ですが、とりあえず死ね」は原作・要マジュロ先生、漫画・榊原宗々先生による漫画。
タイトル買い必至でしょう……。美しいわ♪
よくあるデスゲーム系の漫画かな?と思っていたのですが、サスペンスホラーに恋愛要素を絡めたショッキングな漫画だった。
ジャケのインパクトだけ強くて中身がない漫画も多々ある中、想定外に面白かったのでおすすめ!
あらすじ
俺は君を殺したい
神城卓が片思いの相手・花園魅香に出会った時、ふとよぎったのは「花園の喉元を傘で突き破る」という明確な殺意のビジョンであった。残虐で、残酷で、残忍な世界に囚われた少年が、抗いの果てに辿り着くのは希望か、絶望か!?
原作 要マジュロ 漫画 榊原宗々 講談社 今夜は月が綺麗ですが、とりあえず死ね 1巻より引用
今夜は月が〜 の魅力
絵・ストーリーともに良し!無駄なエロがない点がもっとも素晴らしい!
ストーリー展開
掃除好きの高校2年生・神城卓は学校のヒロインでモテモテの幼なじみ・花園魅香に恋心を抱いていた。
告白をするぞと意気込むもののへばりついたガムですら落とせぬ体たらくぶりで、毎度のこと不発に終わっており、明日こそはと決意を固める。
その夜、神城は窓ふき掃除中に家の外の痴話げんかを目撃。
意を決して助けに入るが、男から「うつるんです!あなたに私の感情が」と鬼の形相で飛びかかられる。
気づけば朝になっており、自分のベッドで寝ていた神城。
そして、昨日の記憶はおぼろげなまま……。
何も変わらぬ日常だと思った矢先、魅香に声をかけられると彼女の喉を傘でぶっ刺す妄想が脳内を駆け巡る。
「俺は君を殺したい」
魅香に対する病的な殺意を抑えきれない神城に待ち受ける残酷な運命とは……?
ココがすごいよ!
「愛が高じて食べちゃいたい」
猟奇的な世界では最上級の愛情表現だが、「今夜は月が〜」は倫理的な枠内に収まる展開なので、「殺したい」がMAXの振り幅。
まあ、描写はグロ上等!なので、注意は必要だ!
見知らぬおっさんの感情が感染って、大好きな女の子を惨殺したいという欲望に駆られる主人公・神城卓の苦悩が描かれた漫画。
「秀逸な設定だな」と感心したのは、ヒロインの花園魅香への無体な仕打ち!
増殖する殺意が蔓延する中、人気者なだけに一方的に好意を持つ人々から襲われるヒロイン……。
(魔女狩りの様相を呈していて読み応えがありましたよ)
しかも、通常ありえないことだが神城の魅香への思いが深い分、恐るべき殺意が魅香に向かう。
普通はヒーローがヒロインを守るものだが、ヒーローが一番ヤバイ輩という点が斬新!
また、魅香が無駄なお色気要因でなかった点も高評価!
こういう漫画に、これ見よがしなパンチラを入れられてもね……。
純粋にサスペンスホラーを満喫できるのでありがたい!
よって、マイナスな点はエロが少ないという点かな?
あと、超能力という設定はいらなかった?
掃除しすぎて観察眼が増すとか?ちょっと意味がわからなかった。
秀逸なタイトルに脱帽!
「今夜は月が綺麗ですが、とりあえず死ね」は「I LOVE YOU.SO I KILL YOU」との英語表記。
「I LOVE YOU」が「今夜は月が綺麗です」という意味。
これがまた、かの夏目漱石大先生による超訳で、日本人は「愛してる」なんてドストライクな球を放らないから「月が綺麗ですねとでも訳しておけ」と学生に言ったという都市伝説からきているそう……。
耽美なる感覚ですな。ハワハワしてしまう……。
タイトルからして、ここまでの凝りよう。
そして、それに劣らぬ練りこんだ設定。好意が殺意に変わり、さらに伝染するとか生半可な緊迫感ではありませんぞ!
タイトル買いしてOKな漫画だ!
画力の覚醒を見よ!
表紙を見ていただければお分かりかと思いますが、「今夜は月が〜」は絵が上手い!
ジャケ買いしてもOKなレベルの漫画だ。
しかし、グロ絵に関しては期待できそうにもない……。
あえてボカして描いているのだろうが、見る人が見たらわかるモノですよ。
鮮血の飛び散りは及第点だが、滴りに関してはまだまだな領域。
「好みではないのぅ。絵が上手いだけに残念じゃ……」と思っていまして、1巻のラストなど超衝撃的な見開きで押し切った感はあるが、「滴りがぁ〜!滴りがぁ〜!」惜しいッ。
と思いきや、次第に飛び散らかしの方が巧みになってきた!
コレよ、コレ!
もともと絵が上手い漫画家がさらなる進化を遂げる……。
滴りの方もボカしてきたり、滲ませてきたり、だんだんめっちゃ上手くなってきている!
血痕で画力を推し量るほぴっとんのような輩は少数かと思いますが、本当に卓越してきてるのよ!
今後も地道な画力の覚醒が期待できる、ある意味非常に楽しめる漫画だ!
まとめ
変な感想になちゃったな……。
誰得なんだ?いきなり偏執的な血液の好みを語ったりして……。
あと、1巻を読めばお分かりでしょうが、「今夜は月が〜」には「クンカ」の衝撃という伏兵が潜んでいまして、独創的な擬音語もショッキングな漫画なのです。(マジで目を疑った!)
鬱々な設定の漫画ですが、時折アッパーなグロが差し込まれていたりするので、ほぴっとんは高評価!
デス系が好きな方には鉄板の漫画になるでしょう。
同じような設定のデスゲーム漫画に辟易しているなら、「今夜は月が綺麗ですが、とりあえず死ね」を読んでおくべき!