「空挺ドラゴンズ」は桑原太矩先生によるファンタジーグルメ漫画。
空飛ぶドラゴンをハンティングして売りさばく!
龍が生息するファンタジーな世界にグルメを持ってきました……。
面白いのに、あまりにも残念すぎる漫画なので、ちょいと厳しめの感想。
あらすじ
天空を泳ぐ龍を追って旅を続ける捕龍船「クィン・ザザ号」。
油に薬、そしてなにより美味な肉。捕らえた龍を解体して売る、龍(おろち)捕りを生業とする乗組員たちの空の旅&グルメ紀行!
空挺ドラゴンズの魅力
ストーリー展開
1ページ目から「ラピュタ」ですな!
「クィン・ザザ号」は今では数少なくなった捕龍船。
龍を追って世界中の空をまたにかける「クィン・ザザ号」の乗組員たちは帰るべき港を持たず、捕らえた龍を食べつつ空を放浪。
時おり、寄港した市(まち)で油やら肉やらを売って生計をたてているが、肉の売れ行きは良いのに歓迎されていない様子。
どうやら、捕龍船を泊めた市には龍が落ちるとの迷信があり、捕龍船の乗組員には囚人や無頼漢が多かったというイメージが色濃く残っているため、「肉は欲しいけど泊まりはダメよ」と熟練のキャバ嬢さながらやんわり断られてしまった……。
龍捕りは堅気の仕事ではないので、理屈が通らないのだ。
そんな中、隣市の上に龍が出たとの連絡がある。
捕まえに行ってくれと頼まれたので、補給もそこそこに出発。
って、ここまで書いたけど「空挺ドラゴンズ」はあらすじが必要な漫画じゃなかったわ……。
とにかく、龍を狩って食べて冒険する話。
上から目線で物申したい!
「空挺ドラゴンズ」は10人読んだら8人は
「天空の城ラピュタ」+「風の谷のナウシカ」÷「ダンジョン飯」=「空挺ドラゴンズ」
と感じるだろう……。
ラピュタの飛行船・タイガーモス号にナウシカの王蟲、 ダンジョン飯さながらドラゴン肉。
ファンタジー世界の王道を持ってきました!
それに、龍捕りというナイスなアイデア!
絵柄も中世ヨーロッパ風のファンタジーをベースにした世界観に非常にマッチしているし、龍の造形もオリジナリティーがあって素晴らしい。
龍捕りのシーンの迫力もすごい!
「クィン・ザザ号」での生活もリアリティーがあって、色々な事情があって乗り込んでいる個性的なメンバーとのやりとりが良い。
大空を駆け巡る乗組員たちが命がけで龍捕りに挑む冒険活劇!
……コレ、ドラゴン肉必要??
ファンタジー好きのほぴっとんとしては、完璧な世界設定だと思いますが、グルメいる?
メインじゃなくてサブでよくないか?ドラゴン肉は……。
しかも、あまり美味しそうじゃないし……。
誰のせいなの?
編集者??
才能を無駄遣いしてないか?
久方ぶりにこんな残念な漫画読んだわ……。
上から目線で申し訳ないのですが、最高級のステーキを母ちゃんが黒焦げにしたときぐらいのもったいなさ……。
雰囲気泥棒め!
みんな好きだからジブリ……。
ファンタジーの鉄板だから龍は……。
「空挺ドラゴンズ」が醸し出す雰囲気はジブリ好き・ファンタジー好きには悶絶級の設定。
それだけに雰囲気泥棒と化してしまっていて、インパクトが弱すぎるのが難点だと思う。
龍捕りに舵をきれ!!
龍捕りが捕鯨をモチーフにしているのは明白ですから、もっと龍に対しての文化的背景や歴史的な重みを描いて欲しい。
主人公のミカ(男)が「うまそうだから肉を食う」それで良い。
そこに到るまでの境地を掘り下げて描くことで、初めて龍捕りの意義が我々にも伝わってくると思う。
捕鯨問題に並々ならぬ関心を持っているほぴっとんとしては、龍を捕って食べるだけではなく、龍との繋がり(生態も含め)や生きるために殺すことの残虐性、龍が存在することの社会的背景など模索するテーマがあると読み応えがある。
下準備はもう十分すぎるぐらいできていますからね。
あとは、描くだけ!
タブーに挑め!タブーに!!
僭越ながら、講談社に手紙を出そうかと思いました。
龍と旅する空の物語という雰囲気が非常に素晴らしい漫画だけに、惜しいッ!
まとめ
「空挺ドラゴンズ」はワクワク感が伝わってくるし、十分に面白いと感じる方も多い漫画だとは思います。
評価が高くて納得の漫画。
残念とか言いつつ、ほぴっとんは続き買うよ!
だって、ほぴっとん龍大好きだから……。
今後の舵取り次第で大化けする可能性もあるし、大いに期待しています。