蜜の島|「死」が存在しない幻の島が舞台のサバイバルミステリー漫画

「蜜の島」小池ノクト先生による人類最古の謎に挑む、壮大なるサバイバル・ホラー!!

地図上に存在しない幻の島を舞台にしたサバイバルあり・謎解きあり・オカルトありという全4巻ながら盛りだくさんのストーリー展開。

蜜の島を無料で試し読み!!

Sponsored Link

あらすじ

東京にいる妻子を、妻の故郷の島まで送り届けてほしい。復員兵の南雲佳哉は戦友との約束を果たすために幼い遺児・ミツを連れ、彼女の母親の故郷へと向かうが、目指す石津島は地図にも載っていない幻の島だった……。

蜜の島の魅力

「人類最古の謎に挑む」とかあらすじに描かれたら買って帰るしかないじゃないか!しかし、思ってたのと違う……。

「このあらすじ詐欺め!」と怒り狂っていたほぴっとんの気を鎮めるほどの面白い展開になってしまった「蜜の島」の魅力をご紹介!

ストーリー展開

昭和22年、九州南沖・太平洋上の船の中から「蜜の島」のストーリーは始まります。

南雲たちの目的地、石津島は敵国・アメリカの地図には記載されているが、日本の地図には載っていないので存在を知られておらず、経済的にも地政学的にも価値がない忘れられてしまった小さな島。

通常の交通手段では立ち入れないため、海のど真ん中で小さな小舟に乗りかえるという荒技で南雲ミツは内務省の役人・瀬里沢とともに石津島へたどり着きます。

島に到着すると、調査のために1ヶ月前から島に滞在する内務省の役人・今村均が出迎えてくれた。早速、南雲は今村にミツの実家の場所を調べてもらいますが、ミツの母親の旧姓「咲田」という家はこの島には無いと言われます。

しかしその後、村人のハナからあっさり「サキタなら向こうだぞ」と言われ咲田家に案内されますが、そこは廃屋でした。

ミツが家の奥に進むとそこにはお膳の前に座るミイラが1体。

そして、隣の部屋からもう1体のミイラを発見する。

「どうやら簡単な仕事じゃなさそうだ」と感じた瀬里沢はこのおかしな村の歴史や成り立ちの情報を集めようとするが、平和でのどかな村には村長などの代表者が存在しないため、村の年寄りを訪ねる一同。

そこで、老人からあたかも400年生きてきたかのような口ぶりで「オカバヤシ」「フタナジマ」という単語を耳にした瀬里沢は、老人が「死」というものの観念を持っていないことに気付く……。

翌朝、地理的調査のために瀬里沢と今村が山中を歩いていると崖から落ちて大怪我を負っているハナを発見し治療するも虚しく死亡した。

そして、ハナの埋葬の準備をしていた今村も何者かに殺害されてしまうが……。

「死」が存在しない村、「フタナジマ」、「ミイラ」。そして奇妙な死の連鎖。謎だらけの石津島で何かが起きる!

蜜の島の感想

「人類最古の謎」との触れ込みでしたので、勝手ながらムー大陸・縄文人建国説ぐらいのスケールを期待していまして「フタナジマ=四国の古名」の名称が出てきたときに「あれ?古事記?日本最古レベルですか?」と思ってしまったほぴっとん。

願望の押し付けで「あらすじ詐欺」と憤慨していたのですが、しばらくして2巻が発売されたので「まあ、古事記も嫌いじゃないけど」という上から目線的な態度で買って帰りましたよ。

そしたら、時間をおいたからなのか?ハードルを下げたからなのか?、ほぴっとん恐ろしいことに気が付いてしまいまして……。

石津島には「死ぬ」という感覚がないのですよ。だから、死体も墓場も存在しない。

死を悼むという行動、いわゆる埋葬と呼ばれる行為を行った最古の例として、定説ではネアンデルタール人が知られています。

死を認識しないと死者に対して特別な感情を持てません。よって「死」が存在しない石津島では人が死んでも腐敗にまかせて埋葬しない。

それは何故なのか?また、そのような死生観を持つようになった経緯とは?

まさに戦慄とはこのこと!!

「蜜の島」は本当に現世人類最古の謎に挑む漫画です。

そして、奇妙な風習を残す村人。閉鎖された共同体によそ者が入ることによって狂う歯車。ミツに眠る咲田の血筋の謎。衝撃的なクライマックスが待っています。

もうこれは読むしかない!!

まとめ

日本の一部に組み込むため石津島を訪れた瀬里沢が探偵顔負けの名推理を発揮するところが「蜜の島」の見所でもあります。

死生観という壮大なテーマにオカルトチックなエッセンスが程よく加わり、人が次々と死んでいくミステリー仕立てのストーリーにサバイバルしながら島の違和感をあぶり出そうとするサスペンス漫画とか読んだことがない!

戦後しばらくしてという時代背景も良かったし、哲学的な概念を異にする倫理観や死生観の違いにここまで恐怖を感じるとは思っておらず、非常に勉強になりました。

ほぴっとんが敬愛する諸星大二郎先生の最高傑作「生命の木」に通じるものがありましたよ。

民俗学や文化人類学に興味がない方にとっては「へぇ〜。ミイラだらけの島って気持ち悪いね」ぐらいの感想しかいただけないでしょう……。

そういった意味では、読む人を選ぶ漫画なのかも?

ミステリーが好きな方はもちろん、進撃の巨人のリバァイ兵長が好きな方にもおすすめ!

瀬里沢は立体機動装置からスーツに着替えたリバァイです。

蜜の島を無料で試し読み!!