ヴィルトゥス+古代ローマ格闘暗獄譚SIN|タイムスリップ→強制格闘士へ

「ヴィルトゥス」「古代ローマ格闘暗獄譚SINは原作・義凡先生、作画・信濃川日出雄先生による漫画。全5巻+全6巻。

そうさ、ローマが好きさ!コロッセウム、格闘士・グラディエーターと聞くとテンションが上がってしまうほぴっとん。数あるローマもので一番好きな漫画が「古代ローマ格闘暗獄譚SINだ!

グロいシーンが苦手な方は引き返してください!

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ヴィルトゥス

西暦185年、古代ローマ帝国は政治を顧みず闘技に明け暮れる暴虐帝コンモドゥスの治世によって荒廃しつつあった。ローマの滅びを憂いた側室のマルキアは、時を操る秘術を用いて未来から失われしローマ人の至高の魂「ヴィルトゥス」を抱く男を召喚する。

そして選ばれたのは、柔道世界王者にして父親殺しの罪で府中島刑務所に収監されていた鳴宮尊だった。

マルキアによって鳴宮だけではなく運動場にいた受刑者や看守もろともコロッセウムへタイムスリップさせられてしまった刑務所の面々……。

そんな中、いきなりゲルマニア捕虜奴隷「金熊団」とのバトルが開始。ワケも分からず戸惑う囚人たちを襲う殺戮の嵐。

鳴宮が一本背負いで反撃し「金熊団」の団長・ヴァルファズルをも打ち倒し、なんとか勝利を収める。

そして、コンモドゥスの目に止まった鳴宮は「死人飼い」と称される悪名高い興行主(ラニスタ)ガムラに預けられ、エーゲ海の孤島に構えるガムラの訓練所に向かうことになるが……。

古代ローマ格闘暗獄譚SIN

鳴宮尊の失踪から3年たった西暦188年、ローマ帝国アカエア属州アテナイの人々は1人の 格闘士(グラディアートル)に熱狂していた。残虐な戦いぶりで連戦連勝を続ける「数を数える男」。彼はかつて鳴宮尊とともにローマへタイムスリップしてきたいじめられっ子の神尾心だった。

復讐に囚われた神尾の怒りは囚人仲間だったアイザワにも向かい、隻眼のアイザワの残った片目を潰し修羅と化す。

そんな中、天才格闘士レクシウスとの対戦が決まるが、彼から「勝てる相手と戦っても修行にならない。シンの弱点を見切った」と言われてしまう。弱者が強者のふりをしているだけで「殺すことができない」という致命的な弱点を見破られたシンは打ちのめされ出奔するが……。

シンは一体何を恨み、何を憎んでいるのか?

魅力的なポイント

タイムスリップした場所がヤバすぎる

よりにもよって第17代ローマ皇帝コンモドゥスが辣腕をふるう世界にタイムスリップしてしまった囚人たち。

彼の治世はまさに社会的堕落の象徴「パンとサーカス」の時代。

コロッセウムでは人間VS人間、人間VS猛獣などの血みどろの戦いが敗者の命が尽きるまで行われていた……。

ローマ市民にとっての何よりの娯楽が「人間の死」という点も病んでいますが、コロッセウムで観戦すると1日分のパンがもらえるのだ。そりゃ、働かずにコロッセウムに通うわ!堕落しきっとるな、ローマ人!

そんなわけで、わざわざ丁寧に未来から日本人(しかも囚人)を召喚したマルキア様。

こじつけにも感じるが、ローマ人の魂=大和魂だと直感したらしい。

当時すでにボクシングやレスリングといった格闘術が存在したが、東方の柔道なる術は斬新なスタイルだった模様。しかも現代の技術が生かされていたので、命がけの戦いに通用してしまったと思われる……。

この辺りのことは、格闘技に詳しい囚人仲間の灰島が解説を挟んでくれるので安心だ。

その後、興行主ガムラの訓練所にて厳しい特訓を受ける囚人たち。

「敗者には死を!」柔道家の鳴宮尊は良いとして、平和な日本でも引きこもりだったひ弱な少年・神尾心の先行きが危ぶまれる……。

「ヴィルトゥス」では主にこのガムラの訓練所での非道ぶりと鳴宮の過去が語られる。

よって、ほぴっとんはいざコロッセウムへと舞台を移す続編「古代ローマ格闘暗獄譚SINの方が好きだ!

ヴィルトゥスよりもSINが好きなワケ

過去の悲惨すぎるトラウマに苦しむ神尾心が残虐な格闘士へと変貌した「SIN」はヘビーな展開がメジロ推し。

「この世に初めから強い男なんていないよ。強くなる男がいるだけだ」

鳴宮のこの言葉を胸に強くなろうと決心した神尾だが、うって変わって弱さゆえに暴虐な戦闘スタイルをとるようになる。

普通は鳴宮のような優しさありきの強さを求めると思うのだが、逆の方向へ向かっちゃった。

ほぴっとんの推測だが、真に強くなるためには自分の過去と向き合う必要があったのだと思う。かりそめでも強さを手に入れた神尾は両親やいじめっ子たちから過去にされた酷い仕打ちに未だ苦しみ、それを憐れまれることが許せないのだろう……。

同じく、悲惨な幼少期を過ごした鳴宮との違いは母の愛だった。

もはや達観した感のあった鳴宮と比べると神尾は未だトラウマを迷走中ですので、命をかけた戦いの中で揉まれている最中。

SIN」には、悪党か頭のネジが緩んだ輩しか出て来ず、何不自由なく育った心優しい少女・サリーナに降りかかる悲劇はショックすぎるのだが……。

サリーナは神尾を救うことができるのか?

ヴィルトゥス+SINのココがすごいよ!

「ヴィルトゥス」のどこがすごいかって?

暴君と名高いコンモドゥスよりも鳴宮尊の父ちゃんの方がヤバすぎるサイコパスだということ……

しかも、スゲー明るいサイコパスで平然と大量の人間を殺しまくる。

鬼畜なカルト教団を主催し、ヒゲ面の屈強なおっさんなのにロリータ少女の扮装を自信を持って着こなしていたり、とにかくホラーを感じさせる男だ。

当時の時代背景として過酷でシビアな環境であったという言い訳が通用しませんよ。父ちゃんも未来から来ているから……。

コンモドゥスはさておき、腹黒い悪女であるサリーナの継母・ベルマなど小物ですわ!

まとめ

こうなっちゃったら国も滅ぶわな……。ローマ人か奴隷しかいないという世界ですぐ環境に馴染んでしまう日本人がすごいよ。

当初の目的であるマルキア様の願いが全く叶っていないクライマックスに驚かされたが、これはこれで逆にありでしょう……。

また、「SIN」になると信濃川日出雄先生の画力が大幅にUPしている点も捨て置けない!

より激しいバトル(すっぽんぽん)から目が離せなくなる漫画。