重版出来!|胸が熱くなる人間ドラマに感涙!出版業界の内幕漫画

「重版出来!松田奈緒子先生による漫画。柔道のオリンピック強化選手だった主人公が漫画誌の編集者となって奮闘する熱い人間ドラマ。編集者や書店員からの支持が高い出版業界の内幕漫画だ!

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あらすじ

主人公の黒沢心は子どもの頃から柔道一筋で金メダルを取るためだけに頑張って生きてきたが、怪我のためにオリンピックの夢を絶たれてしまった。大きな目標を失ってしまった心は、漫画「柔道部物語」に憧れて柔道を始め、血を吐くような厳しい練習も漫画に元気づけられて耐えたことから、心から熱くなれる場所はここしかないと出版社の就職試験を受けるが……。

重版出来!の魅力

「重版出来!(じゅうはんしゅったい)とは、本の増刷が決まることを表す出版用語。「じゅうはんでき」と読むのかと思っていましたよ。本が売れないと重版(初版が売り切れて再度刷った本)とならないので、出版業界ではおめでたい言葉。重版出来を目指して漫画を作り、売っていくことの素晴らしさを描いた作品だ!

ストーリー展開

清掃員になりすまし、密かに入社面接に望む学生の偵察をしていた興都館の社長を輩と勘違いし、見事な投げ技をキメてしまった黒沢心

しかし、社長は心の一本筋の通った見事な体軸に勝負師の武運を感じ取り、勝負の世界である出版業界にふさわしい人材であると期待する。

世にも稀なチャンスをつかみ、めでたく大手出版会社・興都館が発行する漫画誌「週刊バイブス」編集部に配属された心は、柔道家の心「精力善用」「自他共栄」(相手を尊敬し社会に貢献して生きる)をモットーに重版出来の音頭を取ることを夢見て編集者として歩き出す……。

面白いポイント

日体々大学出身の餃子耳・黒沢心(小熊)の眼力に虜になる漫画。

本来、新人がビギナーズラックを超えた成果をいきなりあげるとリアルさに欠けるが、オリンピックで金メダルを目指すような子に限っては「なんだってできるでしょう」という安心感がありますね。

おそらく、柔道の練習なんてほぴっとんの想像も及ばない修羅の世界でしょう……。出版社のハードワークに耐えうる強靭な身体と強い意思、そして運を味方につける日々の努力。

心の運命を変えた社長もまた「運は貯められるぞ」という名もなき老人からの一言で奮起し、恩返しのために多くの読者へ本を届けたいとの信念を持っている。

本気で仕事に取り組むと景色が変わる。ブラックな企業が問題になる中、職業人たちの仕事に賭ける思いが熱すぎる。

「重版出来!」は漫画にまつわる出版社の内幕ものとして完成度の高い作品だ。

重版出来!の感想

絶対にどこの会社にもいるだろうと思われる熱烈な阪神タイガースファンの「バイブス」編集長・和田靖樹と心の教育指導係・デスクの五百旗頭敬(いおきべ けい)のキャラが非常に良い。

出版社を舞台に1冊の漫画に関わる人たち(マンガ家をはじめ、 編集者や営業、書店員まで)の仕事人としての熱い想いが伝わってくる漫画。

昨今、本が売れない時代と言われていますね。良い漫画であるのに打ち切りの見切りをつけるのが早すぎて残念な漫画も多々あり悲しいですが、面白いだけでは売れないご時世……。

漫画を描いて出版すれば売れる訳ではないので、企画力・営業力・やり手の編集者などが盛り立てる必要があり、「重版出来!」はその魅力を存分に描いた漫画だ!

しかし、漫画馬鹿であるほぴっとんとしては、1巻のラストの「売れたんじゃない。売ったんだよ‼︎‼︎」というセリフは切なかった……。

漫画を買わされた気分に陥ってしまいましたよ。

ほぴっとんは「アオイホノオ」の焔燃と大差ないほど自尊心が肥大しているので、「この漫画売れる!」と勝手に1人でほくそ笑んでいる馬鹿なのです。

もちろん数多くの人たちの頑張りがあってこそ自分の手元に漫画があるワケですが、営業など営利目的を度外視して買い集めているからオタクなのであって、流行に乗ってしまったとなると、ちょっとしたアイデンティティ・クライシスですよ!

まあ、営業さんたちが本を売る楽しみを描いた漫画でもあるので、これはほぴっとんのイチャモンですね……。

このシーンがおそらく読者が一番感動するポイントであります。

まとめ

黒木華さん主演でドラマ化され非常に好評を得た作品ですが、この影響で何回「重版出来!」と叫んだのでしょうね。下世話な話、気になるわ〜。

しばらくの間、「重版出来!」が「少女漫画」の松田奈緒子先生の作品だと気づきませんでした。

松田奈緒子先生の名作漫画をモチーフとしたオムニバス連作集「少女漫画」も面白い!

少女漫画|松田奈緒子の少女マンガ愛が詰まったオムニバス漫画!