製鉄法に絡めて、トルコ・ボガズキョイ村(現ボアズキョイ)ヒッタイト遺跡付近から物語がスタートする壮大なる伝奇ロマン「宗像教授シリーズ」をご紹介。
ほぴっとんは宗像教授の大ファンでして、脳内でいつも悠久の時に想いを馳せているのです。
宗像教授とは
宗像伝奇(むなかた ただくす)は東亜文化大学の民俗学教授。大学で教鞭をとるかたわら三つ揃いのスーツにハット、洒落たステッキを片手に世界各地をフィールドワークするダンディなおじさま🖤
恰幅の良い体型とおヒゲがタイプ……。
古代海人族である宗像氏に出自を持つ宗像大社摂社・海照火明神社の次男坊で縄文系。
宗像教授は民間信仰を手がかりに日本民族のルーツを探して歩きますが、その裏に潜むミステリーを斬新な仮説によって解き明かしていきます。
宗像教授の魅力
これほど知的な興奮を味わわせてくれる漫画はそう多くありません。
大胆で自由奔放な超仮説!
どのエピソードも意表を突く展開で、よくそんなにアイデアが浮かぶなと感心するばかりであります。
思わず引き込まれてしまうような不思議な魅力を持った漫画!
宗像教授伝奇考 第1集
宗像教授シリーズは短編の集まりなのでどの巻から読んでも大丈夫ですが、やっぱり1巻から読むべき!
白き翼 鉄の星
白き翼 鉄(クロガネ)の星は前後編からなる作品。
世界的に伝播する「白鳥処女説話」はアーリア人の大移動と重なっている。
この仮説をほぼ断定した宗像教授は教え子の伊香真奈から両親を紹介される。
真奈の父が携えていたのはなんと七星剣!
自宅の裏の祠から偶然発見されたその剣には妙な文様が刻まれており、真奈の故郷の近くに白鳥沼が存在すると知った宗像教授は真奈と共に島根に向かう……。
出雲といえば日本における「白鳥処女説話」である「羽衣伝説」の伝播地で、七星剣の文様は中国の北斗七星とは違う昴が刻まれている……。
これは興奮するわ!宗像教授でなくとも出雲に飛びたいよ。
昴というのは牡牛(おうし)座にあるプレアデス星団のことで、肉眼で6個の星が見えるので六連星(むつらぼし)とも呼ばれています。
このプレアデスには神話があり「白鳥処女説話」とよく似ているために宗像教授は興味を持ったのです。
昴=プレアデス神話。
白鳥=鉄。
「白鳥処女説話」と鉄器時代の関わりとは?
そして、記憶を失った真奈の母の過去を絡めて、古代オリエント最大の謎に宗像教授が挑む……。
商売敵のオカマ・忌部捷一郎も登場するfile.1白き翼 鉄の星は「宗像教授シリーズ」の中でも特にほぴっとんが好きな話。
宗像教授が教壇で「白鳥処女説話」の授業をするたった4ページの時点で、もうすでにファンでしたね。
毎回ファンの心に火をつけるネタ選び、file.1だけで10巻ぐらいあってもいいぐらい密度の濃いストーリーと謎解きに白鳥と鉄が絡んだ時点で完璧!
贄の木
宗像教授伝奇考 第1集 file.5の「贄の木」も非常に素晴らしい漫画です。
雑誌の編集者・池麗美奈(いけ れみな)から干支にちなんだ題材の執筆を頼まれ「猪頭神事(いのかしらしんじ)」の取材のため京都の猪頭村を訪れた宗像教授。
村では数十年に一度かもっと稀に 「猪頭神事」が行われているそうだが、どうやら最後に行われた神事は100年以上前の天保年間であったと知る。
人間が飢えるときには猪も飢える。
「猪頭神事」と飢饉の関わりとは?
宗像教授は歴史の闇に隠された真実と対峙する……。
こういう奇習を描いた作品は例外なく好きなほぴっとん。
公にされるべきではない歴史に踏み込む時、大抵人が死ぬ……。
そっと蓋をしておくのがベストだと思いますが、やっぱり知りたいよなぁ〜。
まとめ
ほぴっとんが憧れる職に就いている宗像教授。
ほぴっとんも鉄を追い求めて世界中をまたにかけて旅がしたいよ……。
なぜ学者にならなかったって?
無粋なことを聞くものではありませんよ。
馬鹿だからです。
仕方が無いよ、ほぴっとん馬鹿なんだから……。