7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT|連載再開!

ほぴっとん、痛恨のミス!連載再開したの知らんかったわ(汗)

まさか「ビッグコミックスピリッツ」から「週刊ヤングマガジン」に移籍したとは露も知らず、6年も巻の発売を首を長くして待っていました。伸ばすほどの首の長さは持ち合わせていませんけれども……。

1巻は存在すら知らずスルーしてしまいましたが、2017年7月に待望の2巻が発売しました。

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7人のシェイクスピア連載再開

いやー、正直諦め半分で待っていただけに、これほどの幸せはありません。全6巻で「7人のシェイクスピア」の第一部が完結してハロルド作石先生が別の連載にせいを出されていたので、もう続きは読めないだろうと潔く身を引くつもりでいましたよ。

7人のシェイクスピア NON SANZ DROICTとタイトルをバージョンアップして復活してくれました。感謝の限りです。

NON SANZ DROICT」とはシェイクスピア家の紋章に記されたフランス語の銘で、「権利なからざるべし」という意味だそう。(Wikipediaより)

謎多きシェイクスピアの秘められた「空白の7年間」に迫る歴史ロマン。

あらすじ

400年前に実在した劇作家、詩人・ウィリアム・シェイクスピア。演劇のみならず、文学や芸術など後世に絶大な影響を与えたシェイクスピアは、片田舎に生まれ家柄にも恵まれず無学の男だった。そんな彼がなぜ今なお世紀を超えて愛される天才劇作家となったのか?

物語はランス・カーターたちがロンドンに移住するシーンから始まります。

ストーリー展開

1588年、「ロンドンには望む全てがある!」 ランスは富と権力をつかみ取るためにイングランドを後にし、一足先にロンドンへ渡っていた親友・ワースと再会する。

早速、芝居一座の創設者に「オデット」の脚本を売り込むが、「ロンドンではもうドタバタ喜劇は古りーんだよ」と酷評されてしまう。

現代と違って、劇団は権力のある大貴族の庇護を受けないと役者たちは浮浪者とみなされ公衆の面前でムチ打ちなどの厳しい刑罰が科せられるため、何としても劇団のお抱え作家となりたいランス。

リヴァプールで喝采を受けた脚本を読んでさえもらえれば大丈夫だという自信があったが、現実は厳しい。

また、ロンドンで活躍している作家たちはみんな大学卒の才人で、勉学を積んでいない低級な田舎芝居では目の肥えたロンドンの観客を満足させることは不可能とのこと……。

これは学のなさをコンプレックスにしているランスにとってはキツイお言葉だ。

脚本を歯牙にもかけられずロンドン中の劇団から断られてしまったが、ランスは足りないものを再認識することができた。

素人同然のストーリー。書物に精通していない。音楽の素養もなし。聖書、神話などラテン語を理解する学識もない。

しかし、台詞だけはどの作家にも負けていない!

リーのほとばしる長台詞があれば、いずれ運命の女神は微笑むはずだと自信を深めるのだった。

散歩をしながら今後のことを考えていると、アンケインの親子に出会う。

その夜、ケインは夫からの暴力で殺されそうになったアンを連れてランスの家に逃げ込むのだが……。

7人のシェイクスピアの魅力

これで、7人が揃うことになります。

ランスの野望、ワースの商才、リーの詩行、ミルの知見、トマスの学識、ケインの慧眼、アンの音楽。

7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT ハロルド作石  講談社より引用

ランスの身分制度を超越した野望をワースが商才で支え、リーの生命が溢れだすような詩行とミルの聖書の知見。外見に似合わずケンブリッジ大で学んでいた過去をもつ古今東西のあらゆる物語に精通しているトマスの学識。そして、新たに不美人ではあるが没落したジェントルマンの家庭で淑女として育ち音楽の素養があるアンと子どものくせに鋭い意見を飛ばすケインの率直な感想。

「7人のシェイクスピア」の時代背景には厳格な身分秩序があります。中流階級に生まれたら決して上流階級にはなれない仕組み。

この時代に花開いた演劇の世界は自分の力でのし上がるにはもってこいのチャンスだったのですね。

今でいう成金セレブみたいなものでしょう。知名度が上がれば金もついてくるぜ!みたいな軽いノリではないでしょうが……。

足りないものを補い合うように結集した7人が絶対的な格差の中でどのように未来を切り開いていくのか?

シェイクスピアの謎に包まれた空白の七年に迫る魅惑的な展開となっています。

まとめ

「7人のシェイクスピア」というタイトルからシェイクスピアが人いる話か?それとも7人でシェイクスピアなのか?とホワホワしていましたが、どうやら今作で7人でシェイクスピアの作品に関わる話だと確定しましたね。

結果的にウィリアム・シェイクスピアは偉大な詩人として現代まで名を残すワケですが、本当にどういった経緯をたどるのか皆目見当もつきません……。

ほぴっとんのハートに再び火をつけたのだから、今度こそ最後まで描き切って欲しい。