「食糧人類‐Starving Anonymous‐」は「アポカリプスの砦」のコンビ、原作・蔵石ユウ先生(原案・水谷健吾先生)×漫画・イナベカズ先生による恐るべき食物連鎖(サバイバル)パニック漫画。
謎の異形生物の食糧備蓄庫から脱出する話なのだが、一切情け容赦のない世界観。期待を裏切らないグロさ!この手のジャンルをこよなく愛読するほぴっとんが、ここ最近で一番精神的エグさを感じた漫画。
ほぴっとんはグロリズム宣言中です。グロ耐性がない方は引き返してください!
あらすじ
原因不明の異常温暖化に見舞われた日本。
ある日、画家志望の高校生の伊江と友人のカズは帰宅途中のバスで突如拉致されてしまう。
伊江が目覚めた先で見たものは、冷凍された裸の人間の姿とそれらを解体する生きた人間たち。
そして、薬の効きが弱くⅡ型認定された伊江は別の場所に移されるが、そこには天井から伸びたチューブを一心不乱にくわえる肥え太った数多くの人間がいて……。
食糧人類の魅力
伊江がナゲットを食すシーンから始まるという……。「食糧人類」はのっけから前振りが効いている。
ストーリー展開
伊江が拉致られた先は巨大な工場のような場所。
屠殺される人間を目にした伊江は作業員のおっさんから「覚悟を決めろ」と言われるが、なんの事やらさっぱりわからない。
絶対に登れない形状の滑り台?から落とされた地下室っぽい場所では、甘い匂いのする液体をガブ飲みする惚けた人間たち。
そこには若干ぽっちゃりとした友人のカズもいて、伊江に謎の液体を飲むようにすすめる。
しかし、ある男から「飲むな」と止められる伊江。
どうやらこの液体を飲むと思考を抑制し正気を失ってしまうらしい。
このイケメンの兄ちゃんはナツネ。そして、仲裁に入ってくれたもう1人の男の名は山引。
彼らは飲まず食わずのこの環境で3日過ごしており、脱出の方法を模索しているようだが……。
そして、衝撃の事実が発覚!
なんと、ここは人間の飼育場だったのだ!
人間の飼育場(肥育場)とか、絶体絶命のピンチを通り越してもはや「お前はもう死んでいる」状態だ。
そんな中、見たこともない奇怪な生物が人間たちを貪り喰い始めるが……。
迫る恐怖。伊江はこの地獄から脱出することができるのか?
食糧人類が激ヤバすぎる
どえらい世界観をひっさげて降臨!
ほぴっとんは陰謀論者かつオカルトマニアですから、「食糧人類」の人間食糧化の裏にある国家権力の腐った企みにハワハワしてしまいまして、お偉方の迎合主義に怒りの矛先が向かってしまいましたよ。
人間を監禁して飼育する施設とかヤバすぎるでしょう。
さらに、「生殖種」なる人間によって繁殖まで行う始末……。
完全に生殖のためだけに薬物漬けにされた男女の悲惨な末路。18歳で20人以上子どもを産んでいるとか、なんと無体な所業。
作業員を「生殖種」の餌食にした、ガチでリアルゲイだった山引の強行手段には背筋が凍ったが、非常にゲスさが際立ち良いシーンとなっている。
その上、この施設では人間をエサに奇怪な生物の飼育を行なっているようだが……。
それにしても、この異形のフォルムは何でしょうね。昆虫ベースですか?
ゾウアザラシ級の筋肉を持ったカマキリのような生物……。
この輩たちの真の企みとは一体何なのか?
先の展開が非常に楽しみな漫画だ!
注意!グロ度高め
うっすら漂う作業員の無関心ぶりが精神的にエグい「食糧人類」。
人間を家畜として扱うことに慣れてしまった人間の行動ってこんなに冷徹かつ上から目線なのだなと感じました。
「食糧人類」はグロ耐性ありきの漫画ですよ。ご注意あれ!
爽やかな青春漫画しか読んだことがない方は耐性をつけてから出直したほうがいい……。
もちろん子どもは回れ右。
凄惨な場面を直視できないとストーリーの裏にある陰謀に置いてけぼりを喰らいます。
イナベカズ先生の絵がうまいのでグロさに拍車がかかって、気色が悪い。
しかし、それ以上に舞台設定が常軌を逸しているのだ。
人間が食糧になるっていう話ですからね。皆までは言いません。
見た目のグロさよりも精神的にヘビーな世界観に打ちのめされる。
山引の妙にお気楽なテンションとか、逆にホラーだし……。
「食糧人類」は面白いけれど、人にはおすすめしにくい漫画だ。
まとめ
これだけグロ度高めの漫画ですと、ゲログジャなシーンにばかり目がいきますが、「食糧人類」はパニックモノとしてストーリーも完成度が高いです。
オチを引っ張らずに小出しにすることでテンションMAXの状態を保って、恐怖を煽る!
グロキチの中に謎が謎を呼ぶ伏線を絡めてくるので、エンドレスパニックの環境を満喫できる漫画だ!
「寄生獣」や「GANTZ」が好きな方は、気にいるはず……。
いつ発禁認定を受けるかわからない漫画なので、紙で持っておくことをおすすめする。
食糧人類-Starving Anonymous-(1) (ヤンマガKCスペシャル)